【J-Startup企業として、92社が選出!】 官民で集中支援し、成功モデルを創出する「J-Startup」
世界で戦い、勝てるスタートアップを生み出し、革新的な技術やビジネスモデルで世界に新しい価値を提供する。――この目的を実現するために立ち上がったのが、2018年6月11日に発表された経済産業省のベンチャー支援プログラム「J-Startup」だ。
これは、トップベンチャーキャピタリスト、アクセラレーター、大企業のイノベーション担当などが、日本のスタートアップ企業約1万社の中から一押し企業を推薦。外部審査委員会が推薦内容を尊重しつつ企業をチェック。厳正な審査で選ばれた企業をJ-Startupの「特待生(J-Startup企業)」として認定している。
官民からさまざまな支援を得られるJ-Startup企業
認定を受けた特待生企業は、さまざまな支援を得ることが可能だ。まず、J-Startup企業を支援するコミュニティを構築。民間支援機関・NEDO・JETRO・METIによる事務局が中心となって、「J-Startup企業」とサポーター、政府機関を結びつけ、タイムリーかつスピーディな支援を実現する。
具体的には、政府が施策を活用する際に優先枠や加点制度を設けるといった支援を提供。さらに、民間のサポートであるJ-Startup Supporters(※)からは、事業スペースの提供・料金優遇やロボット、製品・部品、インフラ網等を使った実証実験への協力といった支援を得ることができる。
また、J-Startup企業の海外展開を支援として、Startupツアー、JETROグローバルアクセラレーション・ハブなどを利用。J-Startup企業による海外展開を支援する計画だ。実際に、海外展開支援の第一弾として、7月13日には日仏スタートアップイベントが開催。フランスのスタートアップ・インキュベーション施設であるステーションFにおいて、日仏共同でスタートアップ支援のイベントを実施し、フランス市場進出に関心を有するスタートアップ企業と、フランス側関係者とのネットワーキング等を行っている。
一方、本プログラムでは、日本のベンチャーエコシステム強化のために海外の起業家を、日本に誘致することも推進していくという。
※J-Startup Supportersの企業一覧 https://www.j-startup.go.jp/pdf/J-Startup_Supporters_20180627.pdf
J-Startup Supportersには、通信キャリア、製薬会社、電機メーカー、不動産会社、運輸等、幅広い業種の大手事業会社をはじめ、メガバンク、大手生損保、証券会社等の金融機関、コンサルティング企業や法律事務所、監査法人などが名前を連ねている。
J-Startup企業は、92社
J-Startup企業を推薦した委員は、eiicon labに登場いただいたこともある確かな実績をお持ち方々だ(※)。そんな委員たちが今回選出したJ-Startup企業は、以下の92社となっている。
※J-Startup推薦委員 https://www.j-startup.go.jp/pdf/J-Startup_Recommenders_20180627.pdf
上記の一覧からもお分かりのように、人工知能(AI)やフィンテック、ものづくりや研究開発型、大学発ベンチャー、HRや働き方改革に関連する事業会社など、多岐に渡っている。なお、6月に上場を果たしたメルカリのように、この92社のなかですでに10社以上がIPOを果たしており、残り約80社が将来のIPOを見込める会社とされている。
官民で集中支援し、成功モデルを創出
政府が発表した「未来投資戦略2018」には、「企業価値又は時価総額が10 億ドル以上となる、未上場ベンチャー企業(ユニコーン)又は上場ベンチャー企業を2023年までに20 社創出する」という目標がある。――「J-Startup」というプログラムには、この目標を実現するという背景もある。
日本では約1万社のスタートアップが日々新しい挑戦を続けているものの、高い企業価値を持ち、グローバルに活躍する企業はまだ一部。選ばれた企業を官民で集中支援し、成功モデルを創出という「J-Startup」という取り組みに、今後も注目していきたい。