
ソニー銀行が独自ブロックチェーン活用へ Sunriseプログラム採択で実証実験を開始
ソニー銀行株式会社は2025年6月26日、モジュラービリティに特化したブロックチェーン「Sunrise」を開発するCauchyE(CAUCHYE ASIA PTE. LTD.)の提供する「MyLayer Prototypingプログラム」に採択され、金融機関における独自ブロックチェーン活用に向けた実証実験を開始したと発表した。
今回の取り組みでは、規制に準拠したシームレスなweb3サービスの提供を目指し、専用ブロックチェーンの可能性をCauchyEと共同で検証する。ソニーグループ独自のブロックチェーン基盤「Soneium」との相互運用性についても技術的な検証を進める予定だ。
金融機関のweb3活用へ ステーブルコインやDeFiも視野に
この実証実験では、金融機関において独自ブロックチェーンをどのように活用できるかについて、技術面・法制度面双方の課題を洗い出す。具体的には、規制遵守と利用者保護の観点から、Sovereign Rollupの活用やForce Txを防ぐアーキテクチャの検討など、最先端の技術的テーマに踏み込む。
また、ステーブルコインの利活用に特化した専用チェーンの実現や、Soneiumとの相互接続、さらにSunriseの流動性を活用したDeFi(分散型金融)提供の可能性についても論点を整理するという。これにより、既存の金融サービスに新たな価値を付加しつつ、web3時代の金融機関の在り方を探る狙いがある。
課題の多いweb3経済圏 規制対応と利便性の両立を模索
世界的に拡大を続けるweb3の経済圏では、分散性や匿名性が担保される一方、マネー・ローンダリングやテロ資金供与の温床になりかねないなど、金融機関として対応すべき課題は少なくない。ソニー銀行では、2025年5月に発表した子会社設立を含むweb3事業の高度化の方針のもと、リスクベース・アプローチを徹底。不正利用対策と利用者保護を両立しながら、利便性の高いブロックチェーンの実現を目指す。
Sony Bank CONNECTとの連携も視野に
ソニー銀行は昨年、web3領域での新たなサービスとして「Sony Bank CONNECT」をローンチ済みだ。これはクリエイターやファン層を中心とした経済圏の拡大を目指すスマートフォンアプリで、NFTマーケットプレイスとの接続機能などを備えている。今回の実証実験で検討する専用ブロックチェーンについても、将来的にはSony Bank CONNECTとの連携を念頭に置いており、web3を活用した新たな顧客体験の提供を見据えている。
「安心・安全で利便性の高いweb3経済圏をどうつくるか」。今回の実証実験は、その問いに対する一つのアプローチとして注目を集めそうだ。
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(TOMORUBA編集部)