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衛星データとAIを活用した自然由来のカーボンクレジット創出支援を行うArcheda、プレシリーズAで資金調達

衛星データとAIを活用した自然由来のカーボンクレジット創出支援を行うArcheda、プレシリーズAで資金調達

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衛星データとAIを活用した自然由来のカーボンクレジット創出支援を行うスタートアップ、株式会社Archedaは、2025年6月、第三者割当増資によりプレシリーズAラウンドでの資金調達を実施した。引受先は、ONE Innovators、グローバル・ブレイン(三菱電機と共同設立)、北洋銀行グループ、DGインキュベーションなど、GX・宇宙・地方創生の文脈で強みを持つ投資家が名を連ねた。

テクノロジーで自然資本の信頼性を担保

Archedaは、「誰もが自然を正しく評価し、価値として投資できる世界」を目指し、自然由来のカーボンクレジット創出の根幹となるdMRV(デジタルモニタリング・報告・検証)ソリューションを提供する。従来、森林や農地などにおけるカーボンプロジェクトの信頼性確保は、現地調査や専門人材に大きく依存していたが、同社のソリューションは、衛星データとAIを活用することで、遠隔からの正確なデータ取得・分析を可能とする。

対象地の選定から、ベースライン評価、環境変化のモニタリングまで一貫してカバーし、透明性とコスト効率を大幅に向上。自治体や林業関係者に向けた森林管理支援の提供も進めており、すでに国内外で複数のパイロットプロジェクトを展開中だ。

“環境×宇宙”が導く持続可能な未来

今回調達した資金は、プロダクト開発および海外展開の加速に加え、解析エンジンの強化、データサイエンティストや事業開発人材の採用、組織基盤の強化に投じられる。特にアジア地域における自然資本の見える化と資金循環モデルの構築を通じて、グローバルな評価基準の確立を目指す。

代表取締役の津村氏は「カーボンクレジットにとどまらず、森林や一次産業、地方自治体の課題解決にも貢献する」と述べており、単なる温室効果ガス対策に留まらない包括的な自然資本インフラの構築に意欲を見せる。

投資家からの期待と今後の展望

出資にあたった各社からは、Archedaの技術的優位性と社会的インパクトに対する高い期待が寄せられている。ONE Innovatorsの清水孝行氏は「2050年のカーボンニュートラル実現には、信頼性の高い自然由来クレジット創出が不可欠」と強調。グローバル・ブレインの百合本安彦氏は「JAXAプロジェクトでの実績も含め、アジア発の評価基盤として大きな成長が見込まれる」と述べた。

また、三菱電機の松原公実氏は「自社衛星との連携強化により、衛星データ利活用の競争力を高めたい」と語り、北洋銀行の堀直紀氏は「道内自治体の課題解決に活用できる」と、地域課題解決との親和性にも注目する。

取締役の城戸彩乃氏は「自然資本は人々の生活を支える大切な財産。透明性ある評価が持続可能性の鍵」と語る。Archedaの取り組みは、目に見えづらい自然の価値を“見える化”し、その価値を循環させるインフラを作る試みだ。自然環境を損なうことなく、経済と両立できる新たなエコシステムの構築が動き始めている。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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  • 谷口靖弥

    谷口靖弥

    • 個人事業主
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