1. Tomorubaトップ
  2. ニュース
  3. 営農型太陽光で地域共生モデル構築へ 東急不動産と自然電力が新会社設立
営農型太陽光で地域共生モデル構築へ 東急不動産と自然電力が新会社設立

営農型太陽光で地域共生モデル構築へ 東急不動産と自然電力が新会社設立

0人がチェック!

2025年4月、東急不動産と自然電力は、営農型太陽光発電の開発推進を目的とした新会社「リエネ自然ファーム合同会社」を共同で設立した。農業と再生可能エネルギーを両立させる営農型太陽光発電は、国内での導入が注目されているが、未だ事業モデルとしては発展途上にある。両社はこの新会社を通じ、課題解決と普及拡大に挑む。

国内最大規模の垂直式太陽光発電を帯広畜産大学に導入

リエネ自然ファームの第1号案件として、帯広畜産大学との間で定格出力708.48kWの垂直式太陽光発電所の設置契約が締結された。本施設は大学構内に建設され、発電された電力は大学に直接供給される予定だ。設置されるのは土地専有面積が少なく、朝夕に発電ピークをシフトできる垂直式太陽光パネル。積雪による反射光も取り込めるため、収益性と営農効率の両面で安定性が期待されている。

日本市場への本格進出、NISA拡充を追い風に

日本市場でも近年存在感を高めている。2023年には、日本円建てで米国株式を取引可能とするサービスを開始。さらに2024年には、米大手マーケットメイカーのシタデル・セキュリティーズと提携し、米国株式・オプション取引の高品質な執行・決済体制を実現した。

その結果、SBI証券、ブルーモ証券、Woodstock株式会社といった日本の証券・金融仲介プレイヤーが、アルパカ社のテクノロジーを活用することで、個人投資家に米国株式へのアクセスを提供している。

背景には、新NISA制度の普及を受けた日本国内の対外投資熱の高まりがある。米国連邦準備制度理事会のデータによれば、過去10年間で日本の対米株式保有額は2.8倍以上に拡大し、全世界の中でもトップクラスの伸び率を記録している。

農業の未来とカーボンニュートラルの両立を目指して

日本の農地は400万ヘクタール以上あるが、農業従事者の高齢化や燃料・肥料価格の高騰により経営は困難を極めている。一方で、政府が掲げるカーボンニュートラルの目標を達成するには、地域で発電した再エネを地域で消費する「地産地消モデル」の構築が急務だ。営農型太陽光発電は、これら両方の課題に対する解となり得る。

リエネ自然ファームは、今後2年間で10MWの再エネ開発を目標に掲げ、持続可能な農業と再生可能エネルギーの共存を本格的に模索する方針だ。なお、帯広畜産大学と北海道自然電力は、2024年8月にカーボンニュートラル推進の包括連携協定を締結しており、本事業はその流れの中で生まれた。

北海道・十勝の地理的優位性を活かす

今回のプロジェクト地である北海道十勝地方は、広大な畑作・酪農地帯であり、太陽光発電に適した日照条件を備えている。また、農地転用が可能な面積も9,500ヘクタールと豊富で、営農型太陽光発電の拡大ポテンシャルが高い。実際、帯広畜産大学と自然電力は2025年2月にパイロット設備(5kW)を設置し、技術的検証を行ってきた。

帯広畜産大学の長澤学長は、「本学の研究成果を地域に還元し、再エネと農業の共生モデルを示したい」とコメント。JA帯広かわにしの足助組合長も「農作業に支障なく設計されており、地域農業を支える意義ある取り組み」と評価する。

東急不動産と自然電力は、それぞれの強みである再エネ開発力と地域密着型の事業推進力を結集し、営農型太陽光発電の新たなモデルを築こうとしている。リエネ自然ファームを起点とするこの挑戦は、日本の農業とエネルギーの未来に新たな選択肢を示す一歩となるだろう。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

新規事業創出・オープンイノベーションを実践するならAUBA(アウバ)

AUBA

eiicon companyの保有する日本最大級のオープンイノベーションプラットフォーム「AUBA(アウバ)」では、オープンイノベーション支援のプロフェッショナルが最適なプランをご提案します。

チェックする場合はログインしてください

コメント0件