
大丸松坂屋の社内ベンチャーとドコモ系スタートアップが連携 ファッション相談サービスを共同実験
NTTドコモ発のファッションスタートアップ「coordimate(コーディメイト)」が、大丸松坂屋百貨店の社内ベンチャー事業「AnotherADdress(アナザーアドレス)」と手を組み、オンラインファッション相談サービスの実証実験をスタートする。これにより、「百貨店のようなヒューマンタッチな接客」を、デジタル上で体験できる世界の実現を目指す取り組みが本格的に動き出した。
デジタルと百貨店の出会いが生む、新しい顧客体験
今回の連携は、スタイリングに迷うユーザーに対して、プロスタイリストがチャット形式で寄り添うというもの。AnotherADdressの会員100名限定で、2025年4月24日から9月30日までの期間、無料でサービスが提供される。
coordimateは、ファッションに対する不安や迷いを、仲間(=mate)たちからのフィードバックで解消するソーシャルスタイリングプラットフォームだ。「似合うか分からない」「失敗したら怖い」といった理由で新しいファッションに挑戦できない人々に、安心して試せる環境を提供している。一方、AnotherADdressは、高級デザイナーズブランドのアイテムを月額制でレンタルできるファッションサブスクリプションサービスとして、2021年にスタート。多忙な日常でも上質なファッションを楽しめるよう、持続可能性と手軽さを両立させてきた。
両者に共通するのは、「誰もがもっと自由に、自分らしいファッションを楽しめる社会をつくりたい」という想いだ。
実証実験の3ステップ:スタイリスト×テクノロジーの融合へ
この連携は、3つの段階を踏んで進化していく構想を持っている。
ステップ1:スタイリストによる試験導入
まずはプロのスタイリストが1対1でユーザーの悩みに対応。チャットを通じて、アイテム選びだけでなく、TPOや体型、好みに応じた提案を行う。「服が多すぎて選べない」「何が似合うかわからない」といった悩みを、言語化を助けながら紐解く。
ステップ2:正式サービス化に向けた需要調査
試験導入で得たデータをもとに、正式なサービス展開を検討。ユーザーが継続的にアドバイスを受けられる仕組みづくりに向けて、準備を進める。
ステップ3:AIによるスタイリング支援の高度化
将来的にはAIを活用し、ユーザーごとの好みや傾向を学習してパーソナライズされたスタイリング提案を可能にする。スタイリストの知見とテクノロジーの力を組み合わせ、さらに多くの人に“プロ品質のファッション体験”を届けていく予定だ。
サービスの魅力は「寄り添い」と「発見」
coordimateがAnotherADdress上で提供するサービスには、大きく3つの魅力がある。
自分に合ったアドバイスがもらえる
プロスタイリストとのリアルタイムチャットにより、漠然とした不安や希望が整理され、「本当に着たかった服」「なりたかった自分」に気づくことができる。
“選ぶ楽しさ”を取り戻す
膨大なアイテム数に圧倒されるのではなく、専門家の視点を借りながら、自分に合う服を見つけるワクワク感が生まれる。
新しいスタイルとの出会い
これまで選ばなかった色や形の服を勧められることで、新しい自分に出会うきっかけが生まれる。レンタルという形式が、その挑戦のハードルを下げてくれる。
株式会社coordimate 代表取締役CEO 飯野健太郎氏は、今回の連携について次のように語る。
「AnotherADdressのアイテムを着てみたとき、正直、これまで着てきた服とはまるで違うと感じました。体も心も自然と前向きになっていたんです。そんな体験を、もっと多くの人に届けたい。」
単なるコーディネートの提案にとどまらず、自分を再発見する体験としてのファッション。coordimateとAnotherADdressは、その可能性をオンラインで広げていく。
「百貨店接客を、デジタルで再現する」──この挑戦の先には、リアルとバーチャルの境界がなくなっていく未来がある。顔が見えないオンラインの世界でも、専門家の“寄り添い”があれば、服を選ぶという行為はもっと楽しく、自由で、安心できるものになる。
ファッションに迷うすべての人に、自分らしく輝く選択肢を。そんな未来が、もうすぐそこまで来ている。
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(TOMORUBA編集部)