
医師×企業で社会課題に挑む――プラップジャパンとメディコレ、戦略的業務提携を締結
医療・ヘルスケア情報の「安心化」に取り組むスタートアップ、株式会社メディコレは2025年4月、PR発想であらゆるコミュニケーション活動を支援する株式会社プラップジャパンと、戦略的業務提携を締結した。
本提携は、企業と医療現場が密接に連携し、医療・ヘルスケア分野における社会課題の解決を目指す「共創型コミュニケーション」の実現を目的としている。
情報氾濫の時代に求められる「信頼性」
ヘルスケア産業は、デジタル、予防、美容、ツーリズムなど多様な分野に拡大しており、医療の専門性と企業の技術が交差する場面も増えている。一方で、インターネット上には膨大かつ玉石混交の情報が溢れ、消費者が信頼できる情報を見極める難易度は年々増している。生成AIの進化もその状況に拍車をかけている。
企業のマーケティング活動においても、単なる商品紹介ではなく、「誰が」「なぜ」その情報を発信しているのか、という信頼性が問われる時代だ。特に医療・ヘルスケア領域では、情報の正確性と社会的責任が強く求められている。
提携の鍵は「医師ネットワーク」と「PR戦略」
メディコレは、医師と連携した情報発信サービス「メディコレWEB」をはじめ、専門家によるコンテンツ制作やマーケティング支援を手がけてきた。一方のプラップジャパンは、半世紀以上にわたり企業のPRを支援してきたコミュニケーションのプロフェッショナルである。
両社の提携によって、企業の持つ課題と医療現場が抱える課題を繋ぎ、医師の視点と社会の視点を掛け合わせたPR戦略を構築・実行する体制が整う。具体的には以下の3つの取り組みが展開される予定だ。

1つ目は、メディコレの医師ネットワークから生まれたプロジェクトを、プラップジャパンの企業クライアントとマッチングし、社会実装を目指す共創型プロジェクトの創出。
2つ目は、企業と医療現場を繋ぐコミュニケーション戦略の立案と実行支援。医療従事者が日本人口のわずか2.7%という現実の中で、効果的かつ現実的な連携体制を築くことが求められている。
3つ目は、共催セミナーなどによる知見の共有。ヘルスケア領域の課題と成功事例を広く発信することで、業界全体の発展に貢献することを目指している。
社会課題解決に向けた次世代のPRモデル
今回の提携は、単なる広報支援にとどまらない。メディコレ代表の橋本氏は「価値ある医療サービスを必要とする人に届けるには、企業と医療の“伝え方”にイノベーションが必要」と語る。情報の信頼性を担保しながら、生活者がヘルスケアサービスにアクセスしやすい社会をつくることが狙いだ。
プラップジャパンの鈴木社長も「企業の課題発信だけでなく、医療現場の課題起点で関係性を築くことで、社会的価値の高いPRが可能になる」とし、今回の提携が自社にとっても新たな挑戦になると位置づける。
企業と医師。これまで交わりづらかった二者が手を取り合い、社会全体の健康を支えるための「共創」に舵を切った。情報の信頼性が問われる今、こうした取り組みが次世代のヘルスケアPRのスタンダードになるかもしれない。
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(TOMORUBA編集部)