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サンゲツ、「アーバンファーミング」の推進するプランティオと資本業務提携——オフィスで楽しむIoT/AI野菜栽培、働く人の創造性を育む実証実験を開始
株式会社サンゲツは、プランティオ株式会社と2025年2月7日に資本業務提携契約を締結した。本提携により、オフィス環境の質を向上させる新たな試みとして、IoT/AIを活用した「インドアファーミング事業」の実証実験を開始する。
オフィスの在り方を変える「インドアファーミング」
オフィスワーカーのウェルビーイングやクリエイティビティ向上が重要視される中、今回の実証実験では、プランティオが開発した「インドアファーミングユニット」を活用し、働く人々が楽しく野菜を育てる体験を提供する。これにより、オフィス内でのコミュニケーションの活性化と、仕事の合間にリフレッシュできる新たな空間づくりを目指す。
「インドアファーミングユニット」は、IoTとAIを駆使したテーブル型プランターで、センサーとアプリを活用することで、誰でも簡単に野菜を育てられるよう設計されている。これにより、オフィスにいながらも自然と触れ合う機会が生まれ、ストレス軽減や創造的な発想の促進が期待される。
資本業務提携の背景と狙い
サンゲツは、長年にわたりインテリア業界を牽引し、住宅・非住宅を問わず、空間のトータルデザインを手掛けてきた。同社は現在、「すべての人と共に、やすらぎと希望にみちた空間を創造する。」というPurposeのもと、インテリアの枠を超えた「スペースクリエーション企業」への転換を進めている。
一方、プランティオは、都市の中で農と食を楽しむ「アーバンファーミング」の推進を掲げ、IoT/AI技術を活用した栽培ガイドシステムの開発を行っている。2024年4月には、株式会社RDSと共同で「インドアファーミングユニット」のプロトタイプを発表し、オフィス向けの展開を加速させてきた。
この両社の提携により、「空間デザイン」と「農と食を通じたウェルビーイング」の融合が実現し、オフィス環境に新たな価値を提供することを目指している。
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実証実験の先に見据えるものとは?
本提携では、インドアファーミングユニットをオフィス空間に導入し、その効果を検証する。さらに、2026年度の本格サービス開始を見据え、サンゲツの持つ顧客ネットワークと、プランティオの栽培ガイドシステムを活かし、以下のような展開を計画している。
オフィス内のコミュニケーション活性化
野菜の成長を見守ることで、従業員同士の自然な会話が生まれ、チームワークの向上につながる。
オフィス外への応用
ビルの屋上や駅前など、都市の遊休地を活用したスマートコミュニティファームの実現を目指す。
持続可能な街づくりへの貢献
商業施設やマンションなど、多様な空間への導入を進め、都市の環境負荷軽減にも寄与する。
両社代表のコメント
株式会社サンゲツ 代表取締役 社長執行役員:近藤 康正
「プランティオとの提携は、当社が目指すスペースクリエーションの未来を形にする重要なステップです。オフィス空間の質を向上させると同時に、働く人々に新たな体験価値を提供していきます。」
プランティオ株式会社 代表取締役 CEO:芹澤 孝悦
「サンゲツとの協業を通じて、オフィスワーカーの皆さまに農と食を楽しむ機会を提供できることを楽しみにしています。屋内外のアーバンファーミングを推進し、新たな価値創造に挑戦していきます。」
インテリアとアーバンファーミングの融合によって、オフィスが単なる「働く場所」から「人が育つ空間」へと進化していく。サンゲツとプランティオの挑戦が、働く人々の心と環境にどのような変化をもたらすのか、今後の展開に注目が集まる。
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(TOMORUBA編集部)