WOTA×ソフトバンク|国内で水道インフラに依存しない分散型水供給システムの構築を目指し資本・業務提携
水循環を用いた次世代の分散型水インフラの研究開発・事業展開を手がけるWOTA株式会社は、ソフトバンク株式会社と資本・業務提携した。この提携により、WOTAの自律分散型水循環システムと、ソフトバンクが持つ通信技術や社会インフラ構築の知見を組み合わせることで、国内で水道から独立した分散型水供給システムの社会実装を目指すという。これを受け、ソフトバンクが国内初の販売代理店として、WOTAの提供する水循環型ポータブル手洗い機「WOSH(ウォッシュ)」を2021年5月10日から販売開始する。
WOTAではこれまで、「誰でもどこでも水の自由を」をミッションに、災害により上下水道が断水した場合でも、水循環の技術により限られた水量で多くの人に入浴等の水利用機会を提供することが可能となるAIを活用した自律分散型水循環システム「WOTA BOX」や、2020年7月には、世界規模での公衆衛生のアップデートを目指し、水道のないところでも設置でき、街全体の公衆衛生対策に有効な水循環型ポータブル手洗い機「WOSH」を開発、社会実装してきた。
今回提携するソフトバンクは、長年にわたり通信ネットワーク、インターネットサービスといった生活の基盤となる社会インフラの構築を行ってきた日本を代表する大手通信事業者。さまざまなテクノロジーや豊富な顧客基盤を保有し、通信というインフラを社会実装・運用してきた知見を持つ同社と、水処理におけるAI、IoT技術を保有・活用し、自律分散型水循環システムの開発や事業展開を行ってきたWOTAとが資本・業務提携することで、分散型水供給システムの社会実装を加速することが可能になるという。
現在、日本国内における上下水道事業は、高度経済成長期に多く敷設された水道管設備の老朽化に伴う水道管の破裂による漏水事故の多発、これへの対応コストの増大が大きな問題となっている。また、人口減少、水の需要減少による水道収益減、過疎地域では3分の1の水道事業者が赤字経営となるなど多くの課題を抱えている。同提携では、このような課題の解決に向けた取り組みを行っていくという。
WOTAでは、独自開発したセンサーで水質や装置の状態を監視し、そのデータを基に最適な水処理のプロセスを自律制御している。さらに、通信ネットワークを介して全国のWOTA製品をクラウドで繋げることで、水処理状況のモニタリングや収集したビックデータの活用が可能となり、継続的な水処理効率の向上を図っている。また、この制御技術を活用しWOTAが開発した自律分散型水循環システムは、人口減少によって水道インフラの維持コストを賄うことが困難な過疎地域をはじめ、物理的に水道インフラの敷設が難しい島嶼部や山間部、国立公園などにおいても、水道配管に依存することなく、安定的に水を供給することに有効。同提携により、全国の自治体や企業への自律分散型水循環システム導入を推進するとともに、全国各地での利用にあたり、水質安全管理などデータと通信ネットワークを用いたデジタルなサポート、設備機器に対するフィジカルなサポート両面での運営基盤が強化されることで、分散型水供給システムの社会実装を加速させていくという。
また、WOTAは、withコロナ時代における新しい生活様式として世界規模での公衆衛生のアップデートが非常に重要になると考え、水道のないどんな場所にも設置可能で、いつでも綺麗な水で手洗いができる手洗い場として水循環型ポータブル手洗い機「WOSH」を2020年7月に開発し、オフィスや商業施設、街中など都市での公衆衛生の普及を行ってきた。今回ソフトバンクが国内初の販売代理店として、「WOSH」を2021年5月10日から販売開始することを皮切りに、WOTAでは、今後の販売提携を推進し、新たな公衆衛生インフラの社会実装の推進体制を構築することを目指している。
今後も、WOTAは、水循環を用いた次世代の自律分散型水インフラを通して、人類と自然の共生を実現し、世界の水問題を解決するべく、プロダクト・サービスの改善に取り組むとともに、様々なプレイヤーとの提携をより一層強化していくという。
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