1. Tomorubaトップ
  2. ニュース
  3. 名古屋鉄道×ギブリー 生成AIで地域価値を高める次世代マーケティング基盤の実証実験を開始
名古屋鉄道×ギブリー 生成AIで地域価値を高める次世代マーケティング基盤の実証実験を開始

名古屋鉄道×ギブリー 生成AIで地域価値を高める次世代マーケティング基盤の実証実験を開始

  • 14975
1人がチェック!

名古屋鉄道株式会社(以下、名鉄)と株式会社ギブリー(以下、ギブリー)は7月2日、生成AIとAIエージェント技術を活用した次世代マーケティング基盤の実証実験をスタートしたと発表した。両社は、このプロジェクトを通じて地域住民一人ひとりに寄り添う新たな生活者体験を創出し、中部圏の地域価値向上を目指す。

顧客データの活用で高度なマーケティングへ

背景には、デジタル社会の進展による生活者ニーズの多様化・個別化がある。交通事業を核に100社以上のグループ会社と連携し地域活性化に取り組む名鉄では、グループ全体で保有する膨大な顧客データをいかに活用し、最適なサービス提供につなげるかが課題となっていた。

今回協業するギブリーは、生成AIを活用したデジタル変革支援を得意とする企業であり、マーケティング特化型AIプラットフォーム「DECA MarketingAgent」を活用することで、名鉄グループの課題解決を支援する。

実証実験のフェーズと取り組み内容

今回のプロジェクトは、単なる業務効率化にとどまらず、顧客体験価値の向上を目指す「付加価値創造領域」への挑戦だ。名鉄グループが保有する多様なデータに加え、国勢調査などの市場動向データ、そして生成AI技術を組み合わせ、AIエージェントによる高度なクラスタリングを行う。AIエージェントとは、自律的に環境を認識し、目標達成のために判断・行動する人工知能システムのこと。従来の人間の分析では見えにくかった顧客インサイトを抽出し、パーソナライズされたサービスの提供を可能にする。

さらに、実際の顧客データを基に生成する「Virtual Customer(仮想顧客)」を活用し、最適な訴求内容を事前に検証することも計画されている。

この取り組みは、まず第1フェーズとして2025年9月までの期間、メール配信サービスの高度化から始め、将来的にはLINEやSNSなどマルチチャネル展開、第3フェーズではグループ全体での統合マーケティング基盤構築を見据えている。

地域社会へ新たな価値を

名古屋鉄道 執行役員 DX・マーケティング部長の横井康人氏は、「生成AIの力により、顧客のニーズを圧倒的なスピードで分析し、精度の高いサービス提供が可能になる。この協業を通じて、お客さまに良質な体験を届けたい」と期待を寄せる。

一方、ギブリー 執行役員CMOの吉田将輝氏も、「生成AIの活用は、表層的な施策に留まらず、体験価値の向上や顧客との本質的な関係構築に寄与する。日本の交通インフラ企業における新たなモデルケースを目指す」と意欲を示した。

130年超の歴史を持つ名鉄と、AI技術で業界をけん引するギブリーの挑戦

創業130年以上の歴史を持つ名鉄は、愛知・岐阜に鉄道路線網を展開し、交通ネットワークを軸にまちづくりや地域活性化を推進してきた。

一方、ギブリーはHRテック、マーケティングDX、AI開発支援など幅広い分野でAI活用の実績を持つ。

今回の協業を通じて、両社は地域に価値ある情報をタイムリーに届けるだけでなく、AIが導く新たな生活者セグメントの発見や予想外の行動パターンの抽出により、地域社会全体のサービス革新を目指す。

生成AIとAIエージェントを活用した先進的なマーケティング基盤の構築が、交通インフラ企業における新たなデジタル活用のモデルケースとなるか、今後の展開が注目される。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

新規事業創出・オープンイノベーションを実践するならAUBA(アウバ)

AUBA

eiicon companyの保有する日本最大級のオープンイノベーションプラットフォーム「AUBA(アウバ)」では、オープンイノベーション支援のプロフェッショナルが最適なプランをご提案します。

チェックする場合はログインしてください

コメント1件

  • 茂原 初谷

    茂原 初谷

    • feliz株式会社
    0いいね
    チェックしました