エプソン | CVC「エプソンクロスインベストメント」を設立し、総額50億円のファンドを立ち上げ
セイコーエプソン株式会社(以下エプソン)は、協業・オープンイノベーションを加速し、既存事業の成長と新規事業の創出をねらう、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)(※1)子会社『エプソンクロスインベストメント株式会社(略称:EXI)』を設立した。今後、総額50億円のファンドを立ち上げ、ベンチャー投資を行うという。
エプソンは、第2期中期経営計画における基本方針のひとつとして「資産の最大活用と協業・オープンイノベーションによる成長加速」を掲げている。これまでも、M&Aやベンチャー企業との協業・資本提携を通じて、過去10年間で約100億円の投資を行い、インクジェット技術を中心としたコアデバイスなど社内資源とのシナジーを追求し、応用範囲を広げる事業開拓や市場開発を実施してきた。
一般的に異業種を取り込む手法としてはM&Aが主流だが、近年、広範かつ多岐にわたる分野・業種のベンチャー企業との協業や資本提携を実現でき、大きな環境変化やディスラプション(※2)への備えとして有効であるCVCが着目されてきている。こうした状況を踏まえ、オープンイノベーション戦略をさらに加速させるために、迅速な意思決定や投資実行を可能とするCVC子会社・EXIを設立したという。
EXIは、CVC運営に強みをもつ独立系ベンチャーキャピタルであるグローバル・ブレイン株式会社(以下GB)をゼネラルパートナー(※3)とし、エプソングループ99%出資のコーポレートベンチャーファンドを組成し、総額50億円の投資枠を設定、国内外のベンチャー企業を投資対象とするファンドの運営を行う。
エプソンは、独自のテクノロジーや商品・サービスを基盤にさまざまなパートナーとシナジーを創り出し、持続可能な社会の実現に向け貢献していくという。
(※1):コーポレートベンチャーキャピタル(CVC): 事業会社が自己の資金を拠出することでファンドを組成し、GPと共に、リミテッドパートナー(LP:有限責任組合員)として主に未上場のベンチャー企業に出資や支援を行うこと。自社の事業内容と関連性のある企業に投資し、本業との相乗効果を得ることを目的とする。
(※2):ディスラプション : デジタルテクノロジーによって、既にある産業を根底から揺るがし、崩壊させてしまうような破壊的イノベーション。
(※3):ゼネラルパートナー(GP) : 無限責任組合員。共同出資者と組合を組成、執行の全責任を負う。有限責任組合員(LP)は出資範囲の限度で有限責任を負う。
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(eiicon編集部)