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オープンイノベーション成功の法則とは?日本企業による14の共創事例まとめ

オープンイノベーション成功の法則とは?日本企業による14の共創事例まとめ

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日本最大級のオープンイノベーションプラットフォーム「eiicon」を運営するeiicon company。企業と企業をつなぐプラットフォームとしてだけでなく、アクセラレータープログラムの開催やオウンドメディア「eiicon lab」の運営など、様々な形で協業の導入を推進してきました。海外で生まれたオープンイノベーションという文化ですが、現在では日本企業でも数多く取り入れられています。 

さらに、eiicon company代表の中村亜由子が日本企業の「オープンイノベーションの進め方」を14の事例を交えて解説した『オープンイノベーション成功の法則 大共創時代の幕開け』が2019年1月に出版されています。

まさにeiiconのオープンイノベーションの知見を惜しみなく詰め込んだ事例集となっています。

本記事では、『オープンイノベーション成功の法則 大共創時代の幕開け』で紹介されている14の具体例から、一部を抜粋してオープンイノベーションの推進方法を解説します。

■『オープンイノベーション成功の法則 大共創時代の幕開け』の概要

eiiconのサービスをローンチしてから約2年。ーーこれまでに4000を超える登録企業、6000社以上の企業との対話から、抽出・整理してきた「ぶつかりやすい壁」とその「乗り越え方」が記されている現代の日本オープンイノベーション実践における虎の巻『オープンイノベーション成功の法則 大共創時代の幕開け』を2019年1月11日に出版しました。

KDDI、メルカリ、JR東日本、富士通、サントリーなど、オープンイノベーションを実践している日本企業の事例を取材し、14ケースを掲載。これらの企業がどのようにオープンイノベーションを実践しているのか、キーマンたちの取材から明らかになる「共創の舞台裏」に迫ります。

また、成功事例とともに数多の失敗事例を目にしてきた経験から、なぜ失敗してしまうのかも「ありがちな6つの症例」に分けて解説。さらに、巻末にはeiicon labの人気連載、瀬川秀樹さんによる漫画コラムも収録しています。オープンイノベーションを多面的に解説した本書は、入門書としてもノウハウ本としても活用できる一冊となるでしょう。

【本書の構成】

第 1 章 流行る共創と逸る共創

     1.時代背景

     2.オープンイノベーションの幻想

第 2 章 現実的な共創と価値 ·

    1.「当たり前」のオープンイノベーション

    2.共創でぶち当たる5つの壁

第 3 章 ここ数年の共創の形

    1.アクセラレータープログラムの活性化

    2.共創の形の多様化

第 4 章 日本流オープンイノベーション事例 CASE × 14

 【1】日本のオープンイノベーション先駆者たち

 【2】共創の現場

 【3】オープンイノベーションに挑む

第 5 章 日本流オープンイノベーションの今後

最後に

巻末4コマ漫画「日本・オープンイノベーション黎明期 企業あるある」

【著者】

eiicon company代表 中村 亜由子

【ご購入はこちらから】

 https://www.amazon.co.jp/dp/4802076924/ref=cm_sw_r_tw_awdo_c_x_wYjjCbB0WC3D0

■書籍内で紹介されているオープンイノベーションの事例

本記事では、書籍内で紹介されているオープンイノベーションの事例を少しだけご紹介します。日本最大級のオープンイノベーションサービスの「eiicon」がこれまでに取材した企業の取り組みの中から、特に印象的な事例をいくつかピックアップしています。

■KDDI ∞ Laboのオープンイノベーション事例

2011年に立ち上がったKDDIグループが推進するインキュベーションプログラムの「KDDI ∞ Labo」は、国内では最古参のオープンイノベーションの枠組みとして知られています。

「KDDI ∞ Labo」長(取材当時の役職)を務めた江幡智広氏いわく、常に移り変わるトレンドを上手に掴んだ事例として、第10期で最優秀賞を受賞した「軽 town」が挙げられると言います。

江幡:スタートした当時は日本でFacebookやTwitterなどSNSがブームになり、スマートフォンが急速に普及してきた時代でした。そうした時代背景を反映して、初期は「グルメ×ソーシャル」や「旅行×ソーシャル」など、ソーシャルに結びつけたサービスが大多数でしたね。

(中略)

最近はリアルな世界で起きている課題がまずあって、それを解決するための手段としてITを用いたサービスを生み出す、という傾向があるように思います。「軽 town」も、代表の松本さんが運送業を営む親戚に労働力不足や非効率なオペレーションなどの課題を聞き、「これは解決しなくては」と一念発起したことから生まれたそうです。身近な世界や既存のビジネスにこそ、解決すべき課題は多く潜んでいるのですよね。

この他にも、江幡氏がKDDIのパートナー企業が「参加したい」と手を挙げるほどのプログラムにまで育てた秘訣などを語っています。競合同士でも対等に議論しあえるフェアなオープンイノベーションの場作りのノウハウが詰まったインタビューとなっています。

■富士通×アジラのオープンイノベーション事例

富士通は独自のアクセラレータープログラムを展開しており、これまでに多くのスタートアップとオープンイノベーションを共創してきました。

これまで、富士通は高齢者の認知症の課題解決に3年間取り組んできましたが、ビジネスとして成立させることに高いハードルを感じていたそうです。

そこで、eiiconを利用してパートナーを探し、AI企業のアジラと出会ったことで事態が好転していきます。

全国には認知症サポーターが900万人存在しておりマーケットは小さくないものの、ビジネスが成立するためには専門性を持つ企業との提携が不可欠でした。

そこで、アジラの持つ画像認識AIを利用して、徘徊者や帰宅困難者の写真を撮影することで、人物を特定し保護者へ通知するアプリを開発しました。

誰にでも利用できるアプリにすることでプロジェクトは前進し、町田市で認知症サポーターの協力を得ながらアプリの実証実験を開始するまでになっています。

■コーセーのオープンイノベーション事例

国内化粧品大手のコーセーは、2018年3月期の連結決算では売上高、営業利益共に5年連続で過去最高を記録しています。その要因はふたつあり、ひとつはインバウンド需要による追い風、そしてもうひとつは経営トップの強力なコミットメントのもと推進されるアクセラレータープログラムです。

経営企画部長兼広報室長の原谷美典執行役員は、2000年代後半に業績が伸び悩んだ経験から、業績好調の今だからこそ危機感を持ってオープンイノベーションによる新たな価値創出を推進することが重要だと言います。

さらに、コーセーはこういったメッセージを経営トップ自身が積極的に呼びかけているため、現場の社員が熱心に変革に取り組んでいるようです。

特に「社員選抜メンバーとの強固な競争体制」がプログラムをワークさせる原動力となっていると原谷氏は語ります。

もともと弊社には「Link」という社内ベンチャー制度があり、社員が自ら手を上げて事業創造に取り組む土壌を育んでいました。今回は外部共創ということで、よりイノベーション創出に強い熱意を持つ人材が集まってきています。

(中略)

アイデア検討フェーズから、経営層が参画します。トップから若手まで、化粧品や美容が本気で好きな人ばかりです。こうして大々的に外部共創を実施することは初めてのことですが、外に開けたマインドを持つ人材が集まっているため、いい協業ができると確信しています。

インバウンド需要が市場の一割程度を占めているため、まさに化粧品はボーダレスに市場が拡大しています。

そのため、共創相手のスタートアップは業種を絞らずに募集しているとのこと。快進撃を続けるコーセーのオープンイノベーションに注目が集まります。

■大企業、中小企業、スタートアップの事例がまとめられた一冊

「オープンイノベーション成功の法則 大共創時代の幕開け」では、本記事で紹介した以外のにも14の事例が紹介されています。オープンイノベーションの関わらない人であっても、ビジネスモデルの発想や組織運営のTipsとして示唆に富む内容になっています。オープンイノベーションは日本企業ではまだ歴史の浅い文化で、オープンさ故に技術流出などのリスクは付きものです。ですから、成功事例だけでなく失敗事例もからも学びながら新たな事業創造を目指していきたいですね。

オープンイノベーション成功の法則 大共創時代の幕開け

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