【OI SUMMIT 2026】延べ約2,000名が来場!「Open Innovation Gate」「STARTUP PITCH」最優秀賞決定――“共創を実装する”サミットの模様を速報レポート
2026年9月11日(金)、株式会社eiiconは日本最大級のオープンイノベーションカンファレンス『OPEN INNOVATION SUMMIT 2026(以下、OI SUMMIT 2026)』を東京・赤坂にて開催した。
事前参加申込数は2,100名を超え、当日は延べ約2,000名ものオープンイノベーション実践者が集結。経営者・事業責任者をはじめ、大企業、スタートアップ、自治体、投資家、支援機関など多様なプレイヤーが一堂に会し、終日にわたり熱い対話が繰り広げられた。
これまで2017年より開催されてきた「Japan Open Innovation Fes(JOIF)」の思想を継承し、2026年より進化を遂げた「OI SUMMIT」。単なる事例共有にとどまらず、オープンイノベーションを「戦略」から「実装」へとつなげ、参加者同士の出会いから“共創の次の一手”を生み出す場として大きな熱気に包まれた。
本記事では、会場メインステージで繰り広げられた2大ピッチコンテンツ「Open Innovation Gate」と「STARTUP PITCH」の模様を中心に速報レポートする。
共創の実現力・事業性を競う「Open Innovation Gate」
メインステージで一際大きな注目を集めたのが、共創によって新たな価値を生み出し、事業の可能性を切り拓いてきたプロジェクトが集う共創ピッチバトル「Open Innovation Gate」だ。
当日は厳選された4チームが登壇。単なる事業紹介にとどまらず、「なぜこの企業同士が組んだのか」「互いの強みをどう掛け合わせたのか」「共創によってどのような価値を生み出したのか」という、共創プロジェクトならではの実現力・事業性・成長性を競い合った。
MCを務めたのは田村淳氏とeiicon代表の中村亜由子。審査員には石井芳明氏(中小企業基盤整備機構)、小澤尚志氏(元オムロンベンチャーズ)、笹原優子氏(NTTドコモ・ベンチャーズ)、田北浩章氏(元東洋経済新報社)、松尾真由子(eiicon)の5名が名を連ね、鋭い視点から質疑応答が交わされた。
【最優秀賞】
「廃棄ホタテ貝殻のアップサイクルによる地域循環型エコシステムの構築」
株式会社山神 × 甲子化学工業株式会社
最優秀賞に輝いたのは、青森県で発生する年間約5万トンもの廃棄ホタテ貝殻を活用した地域循環型アップサイクルを提案した「山神 × 甲子化学工業」チーム。
貝殻由来の新素材「シェルテック」を活用し、高い強度と環境性能を両立したスコップなどの製品開発を展開。廃棄・処理コストやプラスチック使用量の削減だけでなく、地域廃棄物を新たな価値へと転換する取り組みを全国・世界へ広げるビジョンを示した。
審査員からは、環境負荷低減という社会性にとどまらず、「この製品だから買いたい」と思わせるプロダクト自体の魅力と、地域企業同士の共創が持つ事業展開の可能性が高く評価された。
【出場した注目の共創3チーム】
・株式会社otta × 株式会社INFORICH
「街の『充電スポット』が、子どもと高齢者の『見守りスポット』に変わる」
・株式会社グリーンハウス × エグゼヴィータ株式会社
「『習慣解析AI』×『栄養士の知見』で実現する次世代健康経営」
・株式会社地元カンパニー × 株式会社矢場とん
「物販のOSを書き換える──『あと配』プラットフォーム」
全国169件の頂点が決定!「STARTUP PITCH」
続いて行われた「STARTUP PITCH」は、社会課題の解決や産業変革に挑む全国のスタートアップからエントリーされた169件の中から、書類選考と公開面談選考会を勝ち抜いた精鋭6社が登壇。自社の技術やビジョンを発信するとともに、「誰と・何を掛け合わせることで新たな市場を創出できるか」という共創可能性を審査員へぶつけた。
審査員には守屋実氏(新規事業家®)、大櫃直人氏(ミダスキャピタル)、山田メユミ氏(アイスタイル)、田中邦裕氏(さくらインターネット)、下薗徹(eiicon)が登壇し、スタートアップの提案に対するリアルな評価とフィードバックが行われた。
【最優秀賞】&【共創パートナー賞】(ダブル受賞)
「おいしいと健康をどちらもあきらめない世界へ 塩分オフセット技術」
トイメディカル株式会社
見事、最優秀賞と共創パートナー賞のダブル受賞を果たしたのは、食事の美味しさを損なわずに塩分の吸収を抑える独自の「塩分オフセット技術」を披露したトイメディカル株式会社。
塩分吸収抑制サプリメント「デルソル」の開発をはじめ、食品メーカーとの商品共同開発、企業の健康経営、自治体のまちづくりなど、極めて広い分野での共創アプローチを提案。審査員陣からの支持と共創への期待を獲得した。
【東洋経済 会社四季報未上場会社版賞】
「植物のポテンシャルを拡張する共生菌をコアにグリーン産業基盤を築き上げる」
株式会社エンドファイト
筑波大学・茨城大学発スタートアップであるエンドファイトは、植物の根に共生する微生物の力で生育や環境適応力を高める技術を提案。気候変動対応、未利用地活用、都市緑化など、地球規模の社会課題解決につながる社会的意義の高さと、社会インフラになり得るポテンシャルが高く評価された。
登壇スタートアップ企業
・INNFRA株式会社
・エグゼヴィータ株式会社
・オーガイホールディングス株式会社
・株式会社ヘミセルロース
多彩な知見と事例が交差した4つのフォーラム & OI TREASURE STAGE
熱気あふれるピッチに加え、会場内では「未来創造」「AI&イノベーション」「地域」「Global & Capital」という4つのフォーラムや「OI TREASURE STAGE」が展開され、終日にわたりトークセッションが実施された。各分野の第一線で活躍するトップランナーや識者による知見、リアルな事例などが多数共有され、集まった来場者にとって大きな気づきと学びをもたらす有意義なインプットの場となった。
注目の「未来創造フォーラム」では、冒頭に『共創3.0の到来:日本の産業はどこから変わるべきか』と題したセッションが開催された。KDDI株式会社 代表取締役会長の髙橋誠氏や、グロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社 代表パートナーの今野穣氏、衆議院議員の平将明氏といった官民の有識者が登壇し、密度の濃い議論が交わされた。
また、「地域フォーラム」では全国15自治体が登壇したガバメントピッチなどが実施された。地域課題の解決を目指す自治体と、優れた技術やアイデアを持つスタートアップ・民間企業を結びつける実践的なピッチが行われ、会場からは熱い視線が注がれていた。
会場全体で生まれた共創の「次の一手」
各種セッションやピッチが行われたステージの熱気もさることながら、出展エリアでも終日にわたり密度の濃い交流が行われた。
大企業、スタートアップ、自治体、VCなど、立場や垣根を越えた参加者同士が名刺交換や商談を重ね、「知る・学ぶ」だけにとどまらず「出会い、対話し、次の具体アクションへつなげる」という、OI SUMMITならではの「実装」に向けた熱気があふれていた。
取材後記
「JOIF」から「OI SUMMIT」へと名称を変え、さらなる進化を遂げた今回のイベント。各会場で一貫して感じられたのは、「共創を議論する」段階から「いかに素早く社会へ実装・事業化するか」という参加者たちの強い当事者意識だった。ピッチで最優秀賞に輝いた共創プロジェクトやスタートアップをはじめ、この日生まれた無数の対話が、これからの日本産業をどう変革していくのか――。TOMORUBAでは、今回開催された各セッションのレポートを後日順次公開予定だ。
(取材・文:TOMORUBA編集部)