産業医業務の“紙・属人化”をDXで刷新 サンポチャート、「さんぎょういカルテ」の実証実験を開始
株式会社サンポチャートは、産業医業務における記録作成や意見書作成、関係者との情報共有を一元化するDXプロダクト「さんぎょういカルテ」の実証実験(PoC)を開始した。実際の企業現場での運用を通じ、業務効率や操作性、情報共有の円滑性などを多角的に検証し、正式リリースに向けた開発を加速させる狙いだ。
アナログ運用が残る産業医業務、現場負担とリスクが顕在化
産業医業務は高度な専門性を伴う一方で、面談記録や帳票作成、関係者への情報共有などの周辺業務において、依然としてアナログな運用や分断されたフローが多く残っている。これにより、実務負担の増大だけでなく、情報管理の煩雑さや情報漏えいリスクといった課題が顕在化している。
同社はこうした課題に着目し、記録・意見書・共有という一連のプロセスを統合するプロダクトとして「さんぎょういカルテ」を開発してきた。今回の実証実験は、単なる機能検証にとどまらず、現場での実用性や導入ハードルを見極める重要なフェーズと位置づけられている。
記録・意見書・共有を一元化、AI機能の有用性も検証
実証実験では、「さんぎょういカルテ」を実際の産業医業務に導入し、面談記録の作成から意見書作成、関係者への共有までの一連の業務プロセスにおける活用を検証する。産業医、人事担当者、管理職など複数の関係者が関与する業務特性を踏まえ、実運用における課題やニーズを把握する。
また、初期提供機能として、面談時の音声をもとにした文字起こしや要約、サジェストを行うAI機能も搭載。これにより、記録作成の効率化や品質の均一化がどの程度実現できるかを検証していく。
業務最適化と“本来業務への集中”を実現できるか
本実証実験の目的は、産業医業務全体の最適化に資するかどうかの評価にある。具体的には、業務時間の削減、記録品質の均一化、情報共有の迅速化といった観点から効果を測定し、産業医が本来注力すべき従業員支援や判断業務に集中できる環境の実現可能性を探る。
同社の代表取締役であり産業医でもある角田拓実氏は、「産業医業務では面談後に発生する周辺業務に多くの時間が割かれている。こうした負担が、本来向き合うべき従業員支援の時間を圧迫している」と指摘。そのうえで、「さんぎょういカルテ」により業務フローを一元化し、実務に即した支援を実現したいと述べている。
産業保健分野のインフラ化へ 正式リリースに向け、開発を加速
今後は実証実験で得られた知見をもとにプロダクトの改善を進め、正式リリースに向けた開発を加速する方針だ。また、産業医業務の標準化や企業における健康管理体制の高度化に寄与するサービスとしての確立を目指す。
将来的には、「さんぎょういカルテ」を産業保健分野における基盤的インフラとして位置づけ、より多くの企業における健康経営の推進に貢献していく考えだ。今回の取り組みは、産業医業務のDXを通じて、企業の健康管理のあり方そのものを再定義する一歩となりそうだ。
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(TOMORUBA編集部)