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京都大学とセカンドハート、糖尿病性神経障害の臨床研究で共同研究契約を締結 京都発ヘルステックが“足切断ゼロ”に挑む

京都大学とセカンドハート、糖尿病性神経障害の臨床研究で共同研究契約を締結 京都発ヘルステックが“足切断ゼロ”に挑む

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糖尿病合併症による足切断ゼロを目指す株式会社セカンドハートは、国立大学法人京都大学と、糖尿病性神経障害の早期発見に向けた臨床研究契約を締結した。研究では、株式会社衣川製作所が製造するクラスII医療機器「デジタル音叉」を活用し、末梢神経障害の定量評価手法の確立を目指す。

糖尿病性神経障害を「定量的に測る」ための臨床研究を開始

本研究は、京都大学医学部附属病院で実施され、「糖尿病性神経障害のスクリーニングにおけるデジタル振動覚計の臨床応用についての検討」をテーマとしている。

対象となる「デジタル音叉」は既に薬機法に基づくクラスII医療機器として認証されており(認証番号:302AFBZX00094000)、従来の用手的スクリーニング手法では課題だった再現性・定量性の向上を期待できる。

研究責任医師は矢部大介教授が務め、研究期間は2025年7月〜2026年6月を予定。臨床データに基づく新たなスクリーニングモデルの確立を図る。

足潰瘍・足切断リスクを減らす鍵は「早期の神経障害発見」

国際糖尿病連盟(IDF)によると、世界では20秒に1人が糖尿病関連の下肢切断を受けている。その約80%は足潰瘡が原因であり、神経障害の早期発見は国際的にも最重要課題だ。

しかし、神経伝導検査は複雑でスクリーニングに不向きであり、現場で用いられる簡便な検査は定量性などに課題があった。

今回の共同研究は、診療現場で扱いやすい“簡便・再現性の高い検査方法”の確立を目指すもので、プライマリケア領域での普及を見据える。加えて、日本国内だけでなく、糖尿病人口の増加が進むASEAN地域での早期予防にもつながる可能性が高い。

京都からASEANへ──医療DXの国際展開を加速

セカンドハートは、足病診療支援プラットフォーム「Steplife®」を軸に、末梢神経障害や足病変の早期発見支援を進めてきた。国内実証と並行し、マレーシアを中心とするASEAN展開も強化している。

今回の京都大学との共同研究成果は、「スクリーニング精度の向上」「国際標準化への基盤構築」「医療機関との連携拡大」で事業成長にも直結する見通しだ。

代表取締役CEOの石田氏は、「糖尿病による足切断の多くは防げるもの。今回の共同研究は“社会参加を継続できる未来をつくる”というビジョンの大きな一歩」とコメントした。

研究で得られる臨床データは、糖尿病患者の末梢神経障害スクリーニング精度の向上に活用される予定だ。さらに、京都大学との連携を基点に国際共同研究を進め、ASEAN地域での診療インフラ構築にもつなげていく方針だ。

糖尿病性神経障害のスクリーニングは、世界中で医療体制・人員・コストなどの課題に直面している。今後、京都発の医療DXモデルとして普及し、地域を越えて糖尿病合併症の予防に貢献することが期待される。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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