京田辺市でAIオンデマンド交通「たなモビ」実証運行を開始 Moplus、自治体・大学・日産と連携し、持続可能な地域交通モデル構築へ
日産自動車と三菱商事の合弁で、有人・無人モビリティやカーシェア、EVを活用したエネルギーマネジメントを手がけるMoplus株式会社は11月10日より、京都府京田辺市北部エリアにて、AIオンデマンド交通「京田辺スマートモビリティ(愛称:たなモビ)」の実証運行を開始した。サービス提供主体は京田辺市地域公共交通活性化協議会で、地域に根ざした運行を続けてきた山城ヤサカ交通株式会社が車両運行を担う。
本実証は、京田辺市・同志社大学・日産自動車株式会社の三者が2024年7月に締結した「電気自動車(EV)を活用した持続可能なまちづくり」に関する連携協定の共同検討から生まれたもの。日産自動車はMoplusの株主でもあり、自治体と大学を巻き込んだ官民学連携モデルとしても注目される。
AIが最適ルートを自動生成──地域交通の新たな選択肢に
「たなモビ」では、利用者のリクエストに応じてAIが最適な運行ルートを設定するオンデマンド型交通を導入。従来のバス路線では拾いきれなかった移動ニーズに柔軟に対応し、既存公共交通との接続性や利用者受容性を検証する。
実証期間は2025年11月10日〜2026年2月10日、運行時間は9:00〜18:00。北部エリアを対象に、運賃は一律100円(未就学児無料)と利用しやすい価格に設定した。京田辺市公式サイトでは運行状況や利用方法が随時更新され、市民がストレスなく情報を得られる仕組みが整備されている。
市が掲げる「便利でええやん!京田辺」の実現に向け、住民の移動利便性向上と交通ネットワーク全体の活性化が期待される。
官民学連携で実証推進──地域交通DXの基盤づくり
プロジェクトは、以下の体制で進められる。
サービス提供:京田辺市地域公共交通活性化協議会
運行事業者:山城ヤサカ交通株式会社
調査分析:同志社大学 安達研究室
ソリューション提供:Moplus株式会社
Moplusは交通DX領域に特化したソリューションの導入を担い、データ分析や運行最適化の高度化を支援。同志社大学は利用状況の分析を通じ、地域交通の持続可能性や事業モデルの評価に科学的知見を提供する。11月2日に開催された開始式では、山城ヤサカ交通・京田辺市・Moplusの代表者が出席し、地域の移動課題を解決する取り組みとして期待が示された。
今回の「たなモビ」実証は、同社にとって自治体との本格的な協働モデルのひとつであり、今後全国での展開可能性を見据えた重要なステップといえる。
関連リンク:プレスリリース
(TOMORUBA編集部)