サカイ引越センター、「リユースのサカイ」でジモティーのリユース店舗向け業務支援SaaS「リユースエンジン」を実証導入
株式会社サカイ引越センターは7日、地域情報サイト「ジモティー」を運営する株式会社ジモティーが開発したリユース店舗向け業務支援SaaS「リユースエンジン」を、「リユースのサカイ」の一部店舗において実証導入したと発表した。
両社は2025年4月に業務提携を締結し、同年5月には協業店舗「ジモティースポット横浜井土ヶ谷店」を開設。今回の取り組みはその連携をさらに発展させるもので、実店舗の現場で同システムの効果検証と改善を行う。
リユース市場の拡大と現場DXの課題
近年、リユース市場は生活者の環境意識の高まりや価格志向を背景に拡大を続けている。特に地域密着型のリユース店舗は、暮らしの近くで循環を生み出す拠点として重要性が高まる一方、現場には多くの業務負荷が存在する。
商品撮影、説明文入力、オンライン出品、在庫更新、ラベル作成などは手作業に依存し、人手不足やDX化の遅れが店舗運営のボトルネックとなっている。
ジモティーは月間約1,000万人が利用する国内有数のリユースプラットフォームとして、多様な事業者の販売チャネル拡大を支援してきた。一方、サカイ引越センターは引越事業で構築した物流網と店舗運営ノウハウを生かし、全国で「リユースのサカイ」を展開している。
今回の実証は、両社の強みを掛け合わせ、店舗現場の負荷軽減と販路拡大の両立を図る狙いがある。
スマホ撮影から出品までをワンストップに
「リユースエンジン」は、ジモティーが直営する「ジモティースポット」で培ったオペレーションを土台に開発。店舗業務の煩雑さを解消することを目的としたSaaSだ。主な機能は以下の通り。
■スマホ撮影から出品・ラベル発行までを自動化
商品をスマホで撮影し、アプリに必要情報を入力するだけで、ジモティーへの掲載とバーコード付きラベルの発行まで完了。作業の属人化を防ぎ、出品時間を大幅に削減する。
■バーコード連携による在庫自動更新
販売時にバーコードを読み取ることでオンライン掲載情報が自動更新され、在庫の二重管理や掲載漏れを防止する。
■店舗とオンライン在庫をリアルタイムで同期
店頭在庫とジモティー上の在庫が常に一致した状態を保ち、地域ユーザーの検索・来店につながる導線を整備。AIによる自動値下げや価格分析など、将来的な機能拡張も予定されている。
実証実験の内容と狙い
実証導入は2025年10月より、「リユースのサカイ」春日部店・幸手店で開始された。実証では以下の項目を中心に検証を行う。
出品作業時間の削減効果
在庫更新精度・オンライン同期の正確性
導入による集客・売上への寄与度
現場スタッフの操作性・改善要望の収集
特に、店舗スタッフのフィードバックを直接プロダクトに反映することで、実運用に耐え得るSaaSとしての完成度を高める考えだ。
今後の展望
サカイ引越センターは、本件が現時点で業績に与える影響は軽微としつつ、導入店舗の拡大によって財務的影響が生じる場合には速やかに開示するとしている。リユース市場の拡大が続くなか、業務の標準化・効率化は不可欠だ。今回の取り組みは、店舗DXの実現とリユース流通の活性化に向けた一歩となりそうだ。
関連リンク:プレスリリース
(TOMORUBA編集部)