カレンダーシェアアプリを展開するTimeTree、韓国SK Telecomと資本業務提携 AI開発と海外展開を加速へ
カレンダーシェアアプリ「TimeTree」を展開する株式会社TimeTreeは、韓国最大手の通信事業者であり、生成AIやAIインフラ領域でグローバル展開を進めるSK Telecom社(以下、SKT)と資本業務提携を締結した。出資額は22億円。両社は今回の提携を通じて、AIを活用した新機能の開発および海外展開を加速させる。
世界6,700万人が使う“予定共有”のプラットフォームへ
2015年に誕生した「TimeTree」は、家族・友人・職場など、複数人で予定を共有できるカレンダーアプリとして、日常生活に根付いた存在へと成長してきた。日本国内の登録ユーザーは3,100万人、グローバルでは6,700万人を超え、カレンダー上に登録された予定データは累計130億件に達する。
2024年には、企業や団体がイベント情報を発信できる「公開カレンダー」機能をリリース。エンタメやスポーツ、教育など多彩な分野で導入が進んでいる。また、ユーザーの予定データをもとに最適な広告を届ける「TimeTree Ads」が収益の柱として事業成長を牽引しており、生活者と企業をつなぐ新たな接点としての価値を拡大している。
提携の背景 SKTのAI戦略とTimeTreeの資産が融合
SKTは近年、生成AIサービスやAI半導体開発などを通じて「通信会社からAI企業へ」という転換を進めており、自社開発のパーソナルAIアシスタント「A.Dot(エードット)」の展開にも注力している。今回の提携は、TimeTreeが保有する膨大な予定データと強固なユーザー基盤を、AIによる新たな価値創造の土台として高く評価したことにより実現した。
今後、SKTの「A.Dot」開発チームがTimeTreeの開発に参画し、予定データを活用したAIアシスタント機能などの共同開発を推進。日常の予定管理から一歩進み、「行動提案型のパーソナルAI体験」の創出を目指す。
「予定」から生まれる新しい暮らしの可能性
今回の提携資金は、AI技術開発に加え、AI人材の採用や海外市場におけるマーケティング強化にも充てられる。まずは日本と韓国での連携を深め、アジア全体でのユーザー拡大を視野に入れる構えだ。TimeTree 代表取締役社長の深川泰斗氏は「TimeTreeに登録される“予定”には、人々のつながりや日常の軌跡という大きな価値があると信じています。今回の提携を通じて、その価値を丁寧に引き出し、ユーザー一人ひとりが自分らしい時間を選び取れる世界を実現したい。」と語る。SK Telecom CEOのユ・ヨンサン氏は、「TimeTreeとのパートナーシップは、AIエージェント技術を通じて韓国と日本のAI生態系を拡張する重要な一歩だ」とコメントしている。
AIが紡ぐ“時間のプラットフォーム”へ
予定共有から始まったTimeTreeは、今や「時間の使い方」をデザインする生活基盤へと進化している。SKTとの協業により、カレンダーを単なる予定管理ツールから“AIによるパーソナルガイド”へと変革しようとしている。人と人、人と時間をつなぐそのプラットフォームが、次の生活インフラとなる日は近い。
関連リンク:プレスリリース
(TOMORUBA編集部)