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オニテナガエビの陸上養殖、石川県で空調設備工事や化学品卸売を手がける複合商社・三谷産業とジオノーツが淡路島で実証実験を開始へ

オニテナガエビの陸上養殖、石川県で空調設備工事や化学品卸売を手がける複合商社・三谷産業とジオノーツが淡路島で実証実験を開始へ

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三谷産業株式会社は、陸上養殖による希少生物の育成に向けた新たな取り組みを本格化させている。同社は、完全閉鎖循環式システムによるオニテナガエビ(Macrobrachium rosenbergii)の陸上養殖を目指し、兵庫県淡路島に実証フィールドを開設。オニテナガエビの生育ノウハウを有する株式会社ジオノーツと連携し、技術検証を開始した。

両社はこの実証を通じて、商業規模での安定生産体制の構築を目指すとともに、得られた技術を他の水産種にも展開することを視野に入れている。

社員発のアイデアから生まれた「養殖プロジェクト」

三谷産業では、社員が自らの仮説を事業化に向けて検証できる「探索型プロトタイピング制度」を設けており、本養殖プロジェクトもその一環として誕生した。近年、漁獲量減少に伴う水産資源不足への懸念が高まる中、同社は環境負荷を抑えながら安定供給を実現できる陸上養殖に着目。これまで排水処理ビジネスで培った浄化技術を応用し、持続可能な養殖モデルの開発に挑戦している。

また、単なる技術開発にとどまらず、「現場にいなくても生育状況を把握できる仕組み」や「エビ自身が自然言語で発信するユニークな仕掛け」など、テクノロジーと遊び心を掛け合わせたアプローチも特徴だ。

これまでの検証では、コストを抑えながら排水を浄化できる同社のノウハウが、陸上養殖にも十分に適用可能であることが確認されたという。今回の淡路島での実証実験は、こうした成果を踏まえた次のフェーズとして位置づけられている。

ジオノーツとの協働で、実用化へ加速

共同実証のパートナーであるジオノーツは、陸上養殖や水耕栽培の研究・コンサルティングを手がけ、オニテナガエビの種苗から成体までの一貫生育技術を確立している国内有数の企業だ。同社は淡路島の「岩屋陸上養殖LAB」において、孵化や生体観測などの研究を進めており、最近ではタイ・ハジャイ大学と提携するなど国際的にも活動の幅を広げている。

さらにジオノーツでは、身体的ハンディキャップを持つ人々が立ち上げた株式会社GEOSIGHTの「監視警告サービスシステム」を導入。障がいのある方々が遠隔で養殖環境を監視する仕組みを整備し、福祉とテクノロジーを掛け合わせた新たな就労モデルの創出にも取り組んでいる。

陸上養殖が描く持続可能な産業モデル

三谷産業とジオノーツは、淡路島内の商業規模水槽を用いた実証を通じ、完全閉鎖循環式の陸上養殖システムの確立を目指す。実証で成果が得られれば、消費地近郊での生産・供給が可能となり、鮮度の高い水産物を安定的に届ける体制の構築が見込まれる。また、地域での雇用創出や経済活性化にも寄与し、持続可能な地方産業モデルとしての波及効果が期待される。

創業97年を迎える三谷産業は、「創業90年を超えるベンチャー企業」として、社会課題を起点に新しい価値創出に挑み続ける。同社の挑戦は、希少な水産資源の再生と地域社会の未来をつなぐ試みとして、今後の展開に注目が集まる。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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