
香川県東かがわ市で新スマート物流の実証実験がスタート。「SkyHub®」を活用し、ドローン配送と陸上配送の融合による地域課題解決へ
2025年2月6日、香川県東かがわ市で新たな物流システムの実証実験が行われた。この実験は、株式会社NEXT DELIVERY、キヤノンマーケティングジャパン、セイノーホールディングス、株式会社電通西日本の4社による共同プロジェクトで、環境省の「運輸部門の脱炭素化に向けた次世代型物流促進事業」の一環として実施された。
地域課題と物流の現状
東かがわ市は、人口減少と少子高齢化が進む地域で、物流の効率化が重要な課題となっている。特に、過疎地における配送維持は運送業界にとって深刻な問題であり、従来の配送方法では環境負荷も高く、課題解決が急務となっている。また、災害時には地域が孤立し、物流の確保が難しくなる可能性が高まる。今回の実証実験では、地域の物流課題や社会的ニーズに応えるため、ドローン配送と陸上配送を融合させた新しいスマート物流システム「SkyHub®」を社会実装させ、効率的かつ持続可能な物流システムを構築することを目指す。
実証実験の概要
今回の実証実験では、東かがわ市福栄コミュニティセンターから約7kmの距離があるコミュニティセンターへドローンで配送する形で行われた。使用されたのは、エアロネクストが開発した物流専用ドローン「AirTruck」で、片道17分という迅速な配送が実現した。これにより、ドローンが空から荷物を届ける新たな物流の形が浮き彫りになり、住民からは「災害時にも活用したい」といった前向きな声が上がったという。
新スマート物流「SkyHub®」の特徴
「SkyHub®」は、ドローンと陸上配送を組み合わせた新しい物流システムだ。これにより、従来の陸上輸送の限界を超え、空輸を組み合わせることで地域の物流網を最適化し、効率化を図ることができる。さらに、環境問題にも配慮しており、脱炭素化を進めるための重要な取り組みとなる。SkyHub®は、地域社会の課題解決だけでなく、住民の生活の質を向上させ、地域活性化にも寄与することを目指す。
地域課題の解決と今後の展望
実証実験の結果をもとに、今後は買い物困難者問題の解消や災害時の支援体制強化、さらには医薬品配送など、多岐にわたる用途でドローン配送の社会実装が進められる予定だ。特に過疎地域では、人口減少に伴う物流需要の変化に対応するため、ドローン配送が重要な役割を果たすと期待されている。また、ドローンと陸上配送の協力により、公共交通の維持や地域内の物流網の再構築も進み、地域全体の課題解決へとつながるだろう。
また、今後は他の地域でも同様のシステムが導入され、地域課題解決に向けた新しいアプローチが広がっていくことが期待される。社会のニーズに応じた柔軟で効率的な物流システムの実現は、地域活性化や持続可能な社会づくりに貢献する大きな一歩となるだろう。
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(TOMORUBA編集部)