
西部ガスHDとJosan-she’sが連携 産後ケアホテル「Prologue」実証実験を開始へ
西部ガスホールディングス株式会社は2025年9月、福岡市にあるリゾートホテル「ザ・ルイガンズ.スパ & リゾート」にて、産後ケアホテル事業の実証実験を開始する。パートナーは、産前産後の支援を専門とする株式会社Josan-she’s。民間企業として九州初となるこの取り組みは、産後うつや育児不安といった社会課題の解消を目的としている。
ホテルの名称は「Prologue(プロローグ)」で“家族の新しい人生の始まり”という願いが込められている。
24時間体制の産後ケアをホテルで──都市と自然が調和する非日常空間で心身をリセット
「Prologue」は、全室オーシャンビューのラグジュアリーなホテルに滞在しながら、24時間常駐する助産師・看護師による専門ケアを受けられる宿泊型サービス。出産直後の不安定な心と体を休め、育児のスタートをサポートする“第三の選択肢”として注目される。
サービスには、乳児の預かりや育児相談、食事付きの滞在プラン、LINEを活用した助産師との継続的なコミュニケーションなどが含まれ、まるで“産後のためのリゾート”とも言える設計。赤ちゃんを預けて美容室やショッピングに出かけることも可能で、母親一人ひとりのニーズに応じた時間の使い方ができる。
九州では希少な民間産後ケアサービス──地域課題に応える新たな一手
日本では出産後の母親のうち、10〜15%が産後うつを経験するとされるが、特に九州地域では公的サービスの地域差が大きく、民間による支援の選択肢はまだ少ないのが現状だ。そうしたなかで、西部ガスHDとJosan-she’sによる本プロジェクトは、地域課題に対する先駆的なチャレンジとして期待されている。
「Prologue」は全国からの利用が可能で、初めての家族旅行としての活用も推奨されている。1泊から連泊まで柔軟に対応しており、生後6ヶ月未満の赤ちゃんを対象としてサービスを提供予定だ。
暮らしの課題解決に向けた新たな価値共創へ
西部ガスHDは中期経営計画「ACT2027」で“未来に向けた新たな価値の共創”を掲げており、本取り組みもその一環。今後は「Prologue」の実証を通じて、持続可能なサービスモデルの確立と、産後ケア文化の定着を目指す。
産後ケアは医療と福祉、そしてホスピタリティの交差点にある。今回の取り組みは、そうした複雑なニーズを受け止める「心のインフラ」としての可能性を秘めている。
【実証概要】
名称:産後ケアホテル「Prologue」
場所:ザ・ルイガンズ.スパ & リゾート(福岡県福岡市)
開始予定:2025年9月(予約受付は6月中旬~下旬開始)
対象:生後6ヶ月未満の赤ちゃんとその家族
サービス例:助産師による24時間ケア、全室オーシャンビュー、1泊5食付き、お出かけ自由、LINE相談 など
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(TOMORUBA編集部)