
エフエム東京、新たなラジオ広告マーケティングを始動——radiko×ドコモデータで“可視化”を実現
2025年6月11日、株式会社エフエム東京(TOKYO FM)は、株式会社ラジオDXアライアンス、株式会社NTTドコモ、株式会社インテージ、株式会社ドコモ・インサイトマーケティングと共同で、ラジオ広告のターゲティングと効果測定を高度化する新サービスの提供を開始した。
本サービスは、radiko上でのラジオ聴取データ、dポイントクラブの会員情報、消費者の購買行動データを連携させることで、広告出稿のプランニングから効果検証までを一貫して行うことを可能にする。こうしたラジオ広告におけるデータ活用型マーケティングサービスは、商用ベースでは国内初となる。
一億人規模の会員データを活用、ラジオ広告が“見える”時代へ
本サービスの中核にあるのは、TOKYO FMが保有するradikoの聴取データ、ドコモの「dポイントクラブ」会員に関する統計データ、そしてインテージが提供する購買行動データだ。これらを大規模DMP「di-PiNK®」を通じて突合することで、リスナーの性年代、ライフイベント、趣味嗜好、購買意欲といった細かなセグメント別の聴取傾向をヒートマップで可視化できる。
この仕組みによって、広告主はラジオ番組ごとのリスナー属性を正確に把握し、狙ったターゲットに対して適切な番組・時間帯への広告出稿が可能となる。また、広告接触者と非接触者を比較するブランドリフト調査を通じて、実際の広告効果を数値で検証できる。
日清オイリオでの実証で効果確認——広告接触者の検索率1.3倍に
サービスの有用性を確認すべく、日清オイリオグループとの協力のもとで実証実験が実施された。設定したターゲットセグメントの聴取状況をヒートマップ化し、最適な広告枠を選定。その後、実際に広告に接触したdポイントクラブ会員と非接触者に対し、ブランドリフト調査が行われた。
結果として、広告接触者は非接触者と比較して、商品について「家族や友人と話題にした割合」が1.5倍、「企業HP等の検索率」は1.3倍と、明確な差が可視化された。これにより、広告が実際に認知向上に寄与していることが裏付けられた。
“ラジオ広告+WEB広告”の連携も可能に
このサービスの特徴は、ラジオ広告に留まらず、接触ユーザーに対してWEB広告によるリターゲティングも可能な点にある。つまり、「ラジオで関心を引き、オンラインで行動を促す」というマーケティングシナリオが実現できる。
今後、TOKYO FMをキー局とするJFN38局に展開を予定しており、まずは株式会社エフエム北海道を皮切りに全国展開を目指すとしている。データマーケティング時代において、ラジオという“音声メディア”の価値を再定義する大きな一歩となりそうだ。
各社の役割と今後の展望
TOKYO FMがサービス提供主体としてradiko聴取データを提供し、RDAはラジオコンテンツのDX支援、ドコモとインテージはそれぞれの保有する会員・購買データを提供。そしてDIMがデータ統合基盤とDMPを運用する。各社の強みを活かした連携により、これまで“効果が見えにくい”とされてきたラジオ広告が、大きく進化を遂げた。
ラジオが“誰に届いているのか”を見える化し、広告効果を数値で語れるようになったことで、企業のラジオ活用のハードルは大きく下がるだろう。新サービスの全国展開とともに、ラジオの存在感が再び増す未来が期待される。
関連リンク:プレスリリース
(TOMORUBA編集部)