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重量物搬送の自動化技術を手がけるニチエツ、シリーズAで3億円を調達

重量物搬送の自動化技術を手がけるニチエツ、シリーズAで3億円を調達

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重量物搬送の自動化技術を手がけるニチエツ株式会社は、シリーズAラウンドにて総額3億円の資金調達を実施した。引受先はAbies Ventures、ケイエスピー、みずほキャピタルの3社であり、各投資家は「労働力不足」や「安全性向上」といった現代の製造業が抱える根本的な課題に対し、ニチエツの挑戦が大きな市場機会であると評価している。

調達資金は、プラスチック成形工場の完全自動化に向けた「AMR金型交換装置」の開発強化に充てられる。また、従来型装置の増産体制構築や人材確保にも活用される。中村氏は「成熟産業にイノベーションをもたらすフェーズに入った」と語る。

現状の課題――成形工場の“危険作業”をロボットが代替する時代へ

プラスチック成形工場では、金型交換作業が人手に頼る領域として残り続けている。特に、金型の落下や挟まれによる重大事故は、安全性を脅かす大きな問題であり、現場では慢性的な人手不足と相まって、生産性の維持も難しい。

こうした課題に対して、ニチエツが開発する「AMR金型交換装置」は、金型の取り出しから成形機への搬送、交換、稼働終了後の引き取りまでを自動化するもので、いわば成形工場の中核業務そのもののロボティクス化を実現する。労働災害のリスク低減と同時に、生産ラインのスマート化を推し進める装置として、今後の導入が期待されている。

日本発グローバル・ディープテックへの期待高まる

投資家各社も、ニチエツの取り組みに強い関心を示す。

Abies Venturesの山口冬樹氏は「1年半以上前から支援しており、国内外の製造業における大きな事業機会になる」とコメント。ケイエスピーの渡邉亜希子氏も「鋭い先見性と実績に裏打ちされた技術力は、今後の飛躍的成長を期待させる」と評価した。さらに、みずほキャピタルの山邊将史氏は「現場の声を確実に製品へ落とし込む力は極めて希少」と述べ、今後の事業展開を後押しする姿勢を見せた。

自社開発で世界最小・最速の装置、次は2026年の量産へ

ニチエツは2017年設立のスタートアップ。社員の半数以上はベトナム籍で、成形工場の経験を持つ技術者が多く在籍している。これまでにも世界最小/最速クラスの金型交換装置を自社開発し、国内の自動車・医療・家電大手などに導入実績を重ねてきた。

前期は単年度黒字を達成し、現在は2026年の「AMR金型交換装置」の量産ローンチを目指して開発を進めている。同社はこの装置を起点に、成形工場のみならず製造業全体における重量物搬送の自動化・無人化を推進し、次世代の“スマートファクトリー基盤”構築を目指す。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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  • 岩倉 哲也

    岩倉 哲也

    • 通信サービス会社
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