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越境ECスタートアップのSAZO、プレシリーズAで総額7.1億円の資金調達を実施

越境ECスタートアップのSAZO、プレシリーズAで総額7.1億円の資金調達を実施

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越境ECスタートアップの株式会社SAZOは、プレシリーズAラウンドにおいて総額7億1000万円の資金調達を実施した。引受先には日本郵政キャピタル、鈴与、D4Vなど国内外の有力投資家が名を連ねており、今回の資金調達を通じて同社はAIを活用したグローバルECプラットフォームの開発・拡張を一層加速させる。

AIで越境ECの“煩雑さ”を解決

SAZOは「世界中の商品を1クリックで購入できる越境EC体験」の実現を掲げ、2024年5月に日韓間でのサービスをスタート。言語・通貨・配送・関税など、従来ユーザーの負担となっていた障壁をAIで自動処理し、直感的でシームレスなショッピング体験を提供している。現地ショッピングサイトの商品URLを入力するだけで、価格・配送料・関税・手数料をAIが即時に計算。煩雑なフォーム入力やチャットのやり取りを不要とし、商品購入をワンステップで完結できる点が特徴だ。

さらに、トレンドキーワードや興味関心に基づいた商品検索機能も搭載しており、世界中の魅力的な商品を発見・購入できる。

売上高は四半期ごとに179%成長、次は“逆越境”へ

サービス開始から1年足らずで、SAZOは急成長を遂げている。2024年5月のリリース以降、取扱高は四半期ベースで179%を超える伸びを記録。特に韓国の商品を購入する日本ユーザーから高い支持を集めている。

次なる展開として、韓国から日本への購入が可能な「逆越境」のローンチも控えており、アジアを皮切りにグローバルなサービス展開を加速する構えだ。

調達資金の使途:AI高度化とグローバル展開

今回調達した資金は以下の用途に活用される。

  • AI技術の高度化:関税計算や物流コスト予測など、国際取引における複雑な処理の自動化を目指す。

  • 物流ネットワークの拡充:日韓に限らず世界中への配送を可能にする物流基盤の構築。

  • マーケティング強化:グローバル認知度向上とユーザー拡大に向けた戦略的施策。

  • BtoBソリューション展開:通関業務の効率化や人材不足解消に向け、関税・輸送コスト予測システムを法人向けに展開。

人材採用・組織体制の強化:技術・マーケティング・コーポレートの各部門を中心に人材を拡充する。

投資家も期待を寄せる“真の越境EC”

リード投資家を務めた日本郵政キャピタルの足立崇彰氏は「SAZOが実現する“越境を意識しない越境EC”というビジョンに強く共感した」と語り、日本郵政グループのリソースを活用し、SAZOのグローバル展開を支援する意向を示した。

また、鈴与株式会社の鈴木健一郎社長も「SAZOの技術は国際取引の障壁を大きく取り除くものであり、物流事業者として多面的に連携していく」とコメント。D4Vの遠藤幹也氏も「構造的な非効率に対し根本から挑むSAZOのアプローチは、グローバル消費のあり方そのものを塗り替える可能性を持つ」とし、今後の市場拡大に期待を寄せた。

アジア発、世界を目指すテックスタートアップ

2023年10月に設立されたSAZOは、愛知県名古屋市の「STATION Ai」に本社を構え、東京とソウルに拠点を持つ。現在の従業員数は35名。創業者であるギル・マロ氏のもと、「技術で国境を越える」ことを掲げ、世界中のユーザーにとって“国境のない買い物”を可能にするインフラを構築しつつある。

プレシリーズAを終えたSAZOは、アジア市場を超えてグローバル展開のフェーズへと本格的に舵を切った。今後の動向が注目される。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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  • 岩倉 哲也

    岩倉 哲也

    • 通信サービス会社
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