
明治大学×東急不動産、学生寮で「あぶら」の健康効果を実証へ!――産学連携プロジェクト始動
明治大学と東急不動産が、学生の健康促進を目的とした実証実験を開始する。2024年3月に開業した学生レジデンス「キャンパスヴィレッジ生田」で実施する本実証実験では、「あぶら」の摂取が学生の心身に与える影響を科学的に検証し、新たな健康戦略の可能性を探る。
「あぶら」の摂取が学生生活に与える影響とは?
「あぶら」とは、食事中に含まれる脂質成分のことを指す。本プロジェクトの中心となるのは、明治大学農学部・金子賢太朗研究室。同研究室は、「あぶら」の構造に着目し、食生活と健康との関係を探求してきた。一般的に「あぶら」は健康リスクを高めるイメージがあるが、実はその種類や構造によって異なる働きを持つことが明らかになっている。
例えば、母乳に含まれる「あぶら」は、赤ちゃんの脳機能発達を促す一方で、肥満リスクを低減するという特性を持つ。また、ラードには睡眠の質を向上させる効果があり、牛脂には運動意欲を高める作用があることも研究で示唆されている。このような知見を基に、キャンパスヴィレッジ生田の入居学生を対象に、管理栄養士監修の食事メニューを提供し、その影響を実証する。
産学連携による新たな価値創造
今回の実証実験は、単なる健康研究にとどまらない。東急不動産と学生情報センターは、本プロジェクトを通じて、学生レジデンスの新たな付加価値創出を目指している。従来の学生寮とは一線を画し、「住まい」と「健康」の両軸から、学生の成長をサポートする仕組みを構築する狙いがある。
また、明治大学にとっても、本実証実験は研究成果の社会実装を進める重要なステップだ。栄養生化学や食シグナル学の研究をさらに深めると同時に、得られたデータをもとに食と健康の新たな知見を世界に発信していく。
学生の未来を支える「食」の可能性
学生時代は、生活習慣や食の嗜好が形成される重要な時期である。本実証実験を通じて、「食を選択する」という意識を学生に持たせることができれば、健康的なライフスタイルの確立に大きく貢献するだろう。
今後、この取り組みがどのような成果を生み出し、学生生活にどのような変革をもたらすのか。産学連携による新たな挑戦から目が離せない。
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(TOMORUBA編集部)