岩手県岩泉町で新スマート物流の実証実験が開始 ──ドローン配送で地域課題に挑む
岩手県岩泉町で、ドローンと陸上輸送を融合した新しい物流体制「SkyHub®」の実証実験が行われた。この取り組みは、株式会社エアロネクスト、株式会社NEXT DELIVERY、セイノーホールディングス株式会社、岩泉ホールディングス株式会社、岩泉自動車運輸株式会社が連携して実施されており、地域の買い物弱者支援と災害時の物資輸送の課題解決を目指している。
岩泉町が抱える物流の課題
岩泉町は人口密度が低く、狭隘な山間部に多くの集落が点在しており、町内の食料品アクセス困難人口は40%を超え、全国平均の24.6%を大きく上回る。この現状を受け、住民の利便性向上と地域産業の活性化を目的とした新しい物流体制の構築が急務となっている。
実証実験では、エアロネクストが開発した物流専用ドローン「AirTruck」を使用し、岩泉ホールディングスの「岩泉ヨーグルト」や日本酒を専用箱に搭載。旧安家小学校から松ケ沢公民館までの約4.2kmを片道10分で配送し、ドローンによる配送後、残りの荷物は陸送に引き継がれるハイブリッド輸送モデルを検証した。
SkyHub®が目指す未来と今後の展望
「SkyHub®」は陸上輸送とドローン物流を統合し、ラストワンマイルの効率化を実現する新しい物流インフラだが。このシステムは地域課題の解決だけでなく、物流業界全体が直面する人手不足や環境問題にも対応する仕組みとして注目されている。
今回の実証実験を通じて得られたデータや住民の意見を基に、地域住民への理解促進と課題解決に向けた取り組みをさらに進めていく方針で、岩手県および岩泉町は、この技術を活用した持続可能な地域社会の実現を目指していく。
ドローンと陸送を融合させた未来型物流の実現は、人口減少や高齢化が進む地域にとって希望の光となりそうだ。岩泉町から始まるこの取り組みが、全国各地のモデルケースとして広がることが期待される。
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(TOMORUBA編集部)