交通・物流を進化させるオープンイノベーション
■市場の変化に、オープンイノベーションで対応する。
1月30日から東京23区・武蔵野市・三鷹市といったエリアのタクシー初乗り料金が、現行の730円から410円と320円分の引き下げとなった。訪日外国人の増加や少子高齢化への対応を見据えた料金改定だが、市場の変化に合わせて、交通領域でも、オープンイノベーションに目が向けられている。 その一例として、ハイヤー・タクシー最大手である日本交通が、スマホ決済サービスのOrigamiと連携。3,500台に「Origami Pay」導入し、「Alipay」での決済も可能にしている。 一方、鉄道業界に目を向けると、JR東日本がNTTドコモと共同で「山手線ビーコンを使ったアイデア・アプリコンテスト」を開催したことも話題になった。なお、コンテスト発表会は2月20日に行われるとのことで、どのようなアイデアが形になるのか気になるところだ。 さらに、先日eiicon labでもお伝えしたが、西鉄グループが【西鉄Co+Lab(にしてつこらぼ)】というアクセラレータープログラムを推進。過去事例として、バス案内アプリ「にしてつバスナビ」などがリリースされている。 <関連記事>ついにトヨタもスタート!活発化するアクセラレータープログラム
■物流業界でも、オープンイノベーションによる新しい取り組みが誕生。
アマゾン、楽天などEコマース市場の拡大により、注目が寄せられる物流業界でも、さまざまな分野でオープンイノベーションが誕生している。 つい先日発表されたのが、日本通運(日通)とカブクによる業務提携。日通はカブクが提供する3Dプリンタ等のデジタル製造技術を活用したオンデマンド製造サービスにおいて、製造物及び関連物品の輸送、製造物の保管などの物流サービスを提供。また、カブクは日通に対して3Dプリンタ等のデジタル製造技術を活用したマスカスタマイゼーション(個別大量生産)実現に必要なノウハウを提供する。 一方、ニトリグループの物流会社ホームロジスティクスは、GROUNDの物流ロボットシステム「Butler(バトラー)」約80台を、物流センター・西日本通販発送センターに導入したと発表。 「Butler」は、可搬式の棚に潜り込み、床面を移動するロボットを利用し、作業者の元に棚ごと商品を届けることで、センター内の省人化を実現する物流ロボットシステム。商品の棚入れ・ピッキング作業の工程を、従来型の作業方法から大幅に省人化できるとのことだ。
■最後に
上記のように交通・物流業界においてもオープンイノベーションという手法は積極的に取り入れられている。少子高齢化による同業界の就業者減少を踏まえると、その動きは加速していくだろう。さらに、AI・自動運転・IoTといったテクノロジーが投下されることで、業界の進化のスピードは勢いを増していくはずだ。