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アフリカ小規模農家の所得向上を目指すDegas、9.7億円の資金調達を実施

アフリカ小規模農家の所得向上を目指すDegas、9.7億円の資金調達を実施

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「人々の生活を劇的に変える」をビジョンに、サブサハラアフリカの小規模農家の所得向上を目指すDegas株式会社は、今回融資と第三者割当増資により、9.7億円の資金調達を実施した。

今回の調達の背景・目的

同社は、モバイルアプリ等のプロダクトと現地オペレーションを活かしたデータ収集、AIを駆使した与信判断により、これまで一般的な金融機関の融資対象にならなかったアフリカの小規模農家累計46,000軒にファイナンスを提供してきた。2023年度は27,000軒にファイナンシングを行っており、アフリカ最大規模の農家ネットワークとデータドリブンなオペレーションを構築している。アフリカにおいてビジネスを展開するため、ネット環境が不安定でも準リアルタイムに同期を行いながら動作するシステムの開発、文化の違う現地の人々に広く利用されるUI/UXの設計、衛星データ解析を利用した農地分析手法の確立など、アジアを拠点としたエンジニアチームによる農家マネジメントプラットフォームの構築を行ってきた。今回の資金調達により、既存の農家ファイナンス事業を拡大させるとともに、開発したプラットフォームを展開し、①脱炭素事業のスケール化、および②マーケットプレイス形成事業に注力していくという。

①脱炭素事業のスケール化

同社は、昨年よりネスレ社と提携し、アフリカ型リジェネラティブ農業の手法確立を目指して検証実験を実施している。リジェネラティブ農業とは、土壌の有機物を増加させることで、生産性を落とさず炭素を隔離する農法手法である。投下肥料量を減らすことで生産コストを下げるだけではなく、質の高いカーボンクレジットとして小規模農家に新たな追加収入源も生み出す。今期はアフリカおよび途上国最大規模である1,000エーカーの点在した農地にてリジェネラティブ農業を展開。研究機関による土壌調査、Planet社との提携による高解像衛星画像による分析を含めた包括的なリジェネラティブ農業の効果の定量化、検証を行っている。また、リジェネラティブ農業の普及においては手法の伝授が重要であるが、ビル&メリンダ・ゲイツ財団と大規模言語モデルを活用した農法指導用チャットボットの開発を進めている。今回の調達により、カーボンクレジットやデータ分析の専門家の採用を行うことで検証実験の組織体制を強化し、さらなるリジェネラティブ農業のスケール化と大規模な質の高いカーボンクレジットの発行を目指すという。

②マーケットプレイス形成事業

同社は、構築した農家ネットワークに第三者機関からの融資機会や追加収入の機会を提供する事業に着手している。今期は、欧州系マイクロファイナンス機関と提携し、同社が形成した与信をもとに農家への融資の誘致を行った。また、不二製油グループと提携し、シアナッツのサステナブルな調達に貢献することで農家が追加収入を得る仕組みを構築した。今回の調達により、第三者からの機会提供やその結果などを可視化したプロダクト開発を拡大するとともにパートナー拡大を行い、学業ローン、農業機械のリース、スマートフォン契約など様々な商品を扱うマーケットプレイスの形成を目指すという。

新規・既存Degas Believersからのコメント(順不同)

・アニマルスピリッツ1号投資事業有限責任組合 代表パートナー朝倉祐介氏

アフリカには世界の未開発農地の約半分が存在しますが、貧困削減の手段として、温室効果ガスの吸収源や世界の食糧供給源として、その可能性は多岐にわたります。IT技術と現場感に即したオペレーションを通じて展開されるDegasの農業ファイナンスは、アフリカにおける農業の課題を解決する有効な手段になると、私たちは考えています。既にDegasは世界の様々なプレイヤーから注目される存在に成長していますが、世界規模の社会課題を解決する日本発スタートアップとして、更に大きく飛躍していくことを期待しています。

・Global Catalyst Partners Japan2号投資事業有限責任組合 創業者兼マネージング・ディレクター 大澤弘治氏

Degas社のアフリカ小規模農家の所得向上支援並びにリジェネラティブ農業による脱炭素事業に大いに賛同し、出資をさせて頂きました。同社は、泥臭い現場オペレーションとAI、IoT、衛星データなどIT技術を組み合わせ、アフリカの小規模農家ファイナンスのベストプラクティスを追及しており高い回収率も実現しています。チームメンバーも秀逸で、今後の更なる事業拡大に向け、全面的に支援させて頂きたいと考えています。

・HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUND (株式会社博報堂DYベンチャーズ) マネージングパートナー 取締役COO 武田紘典氏

アフリカの農業生産性をファイナンスとテクノロジーの力で改善するDegasの独自性と先進性は魅力的であり、また、アフリカの農家の所得向上と脱炭素社会を目指すという高い目標には強い感銘を受けました。今回の出資を契機に、アフリカの小規模農家の所得向上と気候変動問題解決を同時に目指すDegasのフィンテックとサステナビリティ領域における高い先見性と、博報堂DYグループの生活者発想とクリエイティビティを掛け合わせ、「Changing people’s lives, dramatically.」というDegasのミッションをともに実現できればと思います。

・ナント CVC3号あけぼの投資事業有限責任組合(南都銀行) 代表取締役社長 堺 敦行氏、投資担当 宇治 弘晃氏

弊社は、奈良県の地方銀行である南都銀行グループの投資会社です。はじめてDegas社のお話を伺ったときには、地域の課題すらまだ全然解決できていないのに、遠いアフリカの話なんて…というのが正直な感想でした。ですが、詳細にお話を伺う中で、牧浦さんを中心としたDegas社のチームが、世界最貧エリアの生活水準向上や気候変動への対応という最も難しい課題に取り組む本気度に魅了され、このチームならとてつもなく大きな成果を上げられるのではないかという想いが日に日に強くなりました。私たちは、地域課題の解決に繋がる投資を中心に行っておりますが、ご一緒することでDegas社の皆さんの持つ熱を様々な形で地域にも還元できるのではないかと考え、今回投資させていただきました。我々が貢献できる領域を探索しながら微力ながらも貢献していきたいと考えております!

・プライマルキャピタル3号投資事業有限責任組合(既存Degas Believer) 代表パートナー 佐々木浩史氏

牧浦さんとDegas社の大きなチャレンジを全力応援すべく、創業タイミングから計4回目の出資を実行させていただきました。基幹事業の進捗状況やグローバルな組織創りを長く見させてもらってきたからこその自信を持った追加投資です。2050年には世界人口の1/4がアフリカが占めると予測される中、主要産業である農業の革新は急務かつ必須です。また、これまで農家ファイナンス事業で培ってきた事業アセットを土台に、大手メーカーのサプライチェーンの可視化やカーボンニュートラル・リジェネラティブ(環境再生型)農業といった新規事業が立ち上がっており、SDGsの世界的なダイナミズムの中でDegas社の存在感は増しています。地球規模の課題解決に取り組み続ける日本を代表するグローバルテックカンパニーへの大いなる跳躍を信じています。Changing people’s lives, dramatically!!

関連リンク:プレスリリース 

TOMORUBA編集部) 

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  • 白樫朋幸

    白樫朋幸

    • 自営業
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