食料生産システムの課題解決を目指すTOWING、シリーズAの資金調達を実施、累計調達額10億円を達成
株式会社TOWINGは、既存投資家のBeyond Next Ventures株式会社、epiST Ventures株式会社、NOBUNAGAキャピタルビレッジ株式会社がそれぞれ運営するファンドと、新たに三菱UFJキャピタル株式会社、U3イノベーションズ合同会社、kemuri ventures合同会社、愛知キャピタル株式会社、東海東京インベストメント株式会社、京銀リース・キャピタル株式会社、静岡キャピタル株式会社がそれぞれ運営するファンドと、東邦ガス株式会社、SBプレイヤーズ株式会社、名古屋中小企業投資育成株式会社を引受先とした第三者割当増資ならびに、株式会社日本政策金融公庫、株式会社愛知銀行の融資により、総額約8.4億円の調達を実施した。
今回の調達により、累計調達額は10億円を超えた。今回調達した資金は、高機能バイオ炭に関する技術の高度化と、量産を担うプラントの開発、事業拡大に向けた採用及び、組織体制の構築に活用するという。
現在の食料生産システムがもたらす地球規模の課題
2015年9月の国連サミットで150を超える加盟国首脳の参加のもと、地球環境を守りながら豊かさを追求するために、貧困や飢餓、環境問題等の項目ごとに達成目標が設定され、SDGsとして掲げられた。SDGs達成に向けて、現在の農業を中心とする食料生産システムが解決すべき主な課題として、温室効果ガスの排出削減、化学肥料に依存した生産手法からの転換、大量の未利用バイオマスの残渣処理などがあるという。
世界で排出される温室効果ガス490億トン(CO2換算)のうち、農業・林業・その他の土地利用による排出が1/4を占める。日本では農林水産分野が、全排出量の3.9%、およそ4,747万トンを排出しているという。
また化学肥料に利用される窒素やリンなどは、化石燃料や鉱物などの限りある資源を活用して生産されている。近年の人口増加に伴って化学肥料の利用量が急速に伸びている一方で、資源の枯渇や価格高騰が問題視されている。農業・畜産業・漁業などの現場で、窒素やリンなどを含む大量の未利用バイオマスが発生し、有効活用できていないことも課題だという。
これらの課題を解決すべく、EUではFarm to Fork戦略、米国では農業イノベーションアジェンダ、そして日本ではみどりの食料システム戦略をそれぞれ制定し、温室効果ガス排出削減や、化学肥料依存から有機肥料利用への切り替えをはじめとする、地域資源を活用した持続可能な栽培方式への転換を推進しているという。
▲日本の農林水産分野のGHG排出量
TOWINGが目指す、持続可能な食料生産システムとは
TOWINGでは、温室効果ガス排出削減と、減化学肥料・有機転換を同時に実現する土壌改良材である、高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」を開発した。(※1)
宙炭とは、地域の未利用バイオマス(もみ殻や畜糞、樹皮など)を炭化したバイオ炭に、独自にスクリーニングした土壌微生物叢を添加し、地域で利用される有機肥料で微生物を培養している。
宙炭の主な導入効果は、下記3点。
・有機肥料に適した土づくりの期間短縮
(従来手法では5年かかるところ、宙炭では約1カ月で土づくりを完了)
・農地への炭素固定
(10aあたり、CO2換算で1〜4tの炭素固定量を確認)
・収量の向上
(生産法人7件への試験導入では、20〜70%の増収を確認)
すでに日本国内では24都道府県で試験導入を開始しており、同調達活動を経て、23年度中には47都道府県全てと、海外展開に向けて活動を拡大するという。
事業拡大に向け、各地での宙炭供給体制を構築するため、地域パートナーと共にプラントを導入。未利用バイオマスを宙炭としてアップサイクルし、農業に活用することで、持続可能な食料生産システムの実現を目指す。
TOWINGの宙炭の技術開発や社会実装への活動が評価され、農林水産省みどりの食料システム法に定める「環境負荷の低減に取り組む農林業漁業者に役立つ技術の提供を行う」事業者として認定されている。
未来永劫に続く食料生産システムを、土から創っていくという。
(※1)TOWING独自のバイオ炭の前処理や微生物培養技術と、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が開発した技術を融合し実用化。
▲宙炭(そらたん)
代表からのコメント
今回の資金調達により、持続可能な食料生産システムの実現や、地域実装を進めることができることに、大変感謝しております。これも新たにご参画いただいた株主の皆様、既存株主や事業パートナーの皆様にご支援いただいたおかげであり、また日々熱意を持って業務に取り組んでいるTOWINGメンバーの頑張りのおかげです。
2015年の国連サミットで、地球環境を守りながら豊かさを追求するための達成目標として、SDGsが掲げられ、世界でSDGs達成に向けて様々な取り組みを実施しています。日本でも農林水産省が、みどりの食料システム戦略を策定し、本格的に対策に乗り出し始めています。
TOWINGは、温室効果ガス排出削減と、減化学肥料・有機転換を同時に実現する土壌改良材である、高機能バイオ炭「宙炭」を開発しました。未利用バイオマスを宙炭としてアップサイクルし、農業に活用することで、持続可能な食料生産システムを実現します。
食料生産システムの課題解決を目指し、未来永劫おいしい作物が食べられる世界を実現するべく、社員一同はもちろん、TOWINGに関わりがある、すべての方たちと共に、邁進していければと考えています。
▲株式会社TOWING CEO 西田宏平氏
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