現場DXプラットフォームを提供するカミナシ、シリーズBラウンドで約30億円の資金調達を実施
株式会社カミナシは、Coral Capitalをリード投資家として、既存株主、新規投資家を引受先とした第三者割当増資に加え、日本政策金融公庫などの金融機関からの融資により総額約30億円の資金調達を実施した。カミナシは、これまで約14億円の資金調達を実施しており、今回の調達により累計資金調達額は約44億円となる。
あわせて、中長期のプロダクト戦略「まるごと現場DX構想」を発表。これまでカミナシは、現場の紙をなくしデジタル化を推進することに尽力してきた。今後は、新規プロダクト開発を含めたマルチプロダクト化によって、さらなるノンデスクワーカーの活躍・挑戦を後押ししていくという。
資金調達概要
・調達金額：約30億円
・調達方法：第三者割当増資、融資
・株主：＜既存＞Coral Capital（リード）、ALL STAR SAAS FUND、千葉道場ファンド
＜新規＞みずほキャピタル
・融資：日本政策金融公庫、みずほ銀行など
・資金用途：プロダクト開発および開発体制の強化、採用
調達資金の使途
今回調達した資金は、この「まるごと現場DX構想」を実現するため、既存および新規プロダクトの開発およびエンジニアやプロダクトマネジメント、デザイナーなどのプロダクト職の採用と組織体制の強化にあてるという。なお、プロダクト開発においては、IoTやAIといったテクノロジーへの投資を積極的に行い、プロダクト職の組織は2023年中に現在の約20名から約50名へと2倍に拡大する方針だという。
実績と今後の展望
カミナシは、「ノンデスクワーカーの才能を解き放つ」をミッションに、2020年6月末より現場DXプラットフォーム『カミナシ』 を提供している。『カミナシ』は、現場担当者が自らノーコードで業務アプリが作れるプラットフォームとして、従来の紙帳票での管理をデジタル化することで、作業者や管理者の業務効率化を実現してきた。その導入現場数は累計7,000ヶ所以上（※1）にのぼり、現在は食品やホテル、飲食、交通など、30以上の業種において、毎月100万枚以上の紙帳票をデジタル化している。
これまでカミナシは、日本の就業人口の約60%とされる3,900万人（※2）のノンデスクワーカーの働き方を変えることを目指して事業を展開してきた。一方で、2030年の日本では644万人もの労働人口が不足するとされ、そのほとんどはサービス業や医療・福祉、卸売・小売など、現場を持つ業種であることがわかっている。（※3）ノンデスクワーカーの人手不足は、デスクワーカー以上に深刻な状況であり、DXによる生産性向上は現場を持つ企業にとって喫緊の課題となっている。
これらの課題を解決し、ノンデスクワーカーが働く環境を変革するため、カミナシでは新たなプロダクト戦略「まるごと現場DX構想」を策定した。これにより、従来の「紙をなくす」ことから、現場のあらゆる業務を効率化させるマルチプロダクトとして発展させていくという。
※1：『カミナシ』に登録されている現場数。店舗、工場、製造ラインなどの定義を含む。
※2：独立行政法人労働政策研究・研修機構「職業別就業者数」より同社算出
※3：パーソル総合研究所・中央大学「労働市場の未来推計2030」
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（TOMORUBA編集部）
