海事産業に特化したSaaS「MARITIME 7」運営のザブーン、1億6千万円の資金調達を実施
今回、株式会社ザブーンは、DIMENSIONをリード投資家とし、1.6億円の第三者割当増資を実施した。
投資家一覧(アルファベット順)
・DIMENSION
・インキュベイトファンド
・SMBCベンチャーキャピタル
・山口キャピタル
・個人投資家
MARITIME 7とは
海事産業における船員不足、規則の煩雑化による業務過多など、あらゆる問題をデジタルテクノロジーのチカラで解決するために立ち上げたクラウドサービス。まずは、2022年4月に改定された船員法を網羅した労務管理記録簿を自動で作成する船員労務管理機能を2022年6月にリリースした。導入企業は増え、利用客のフィードバックを受けながらサービスの拡充を続けている。
今春にはあらゆる業界人向けの動静管理機能をリリース予定だという。
トラクション
資金調達の目的
事業拡大に向けた、プロダクト開発や採用の強化
今回調達した資金で、MARITIME 7のプロダクト強化と海外展開のためのマーケティング活動に活用し、更なる事業拡大や新規事業推進のため、エンジニア、セールス、カスタマーサクセス、コーポレートなど、幅広い職種で採用を強化していく。
引受先 コメント
■DIMENSION ビジネスプロデューサー 下平将人氏
ザブーンは、海事産業における多くの課題を解決し海事産業の持続的な発展を目指すスタートアップです。
海事産業は、島国である日本国において既に一大産業を形成していますが、一方で、慢性的な人員不足、規制・規則の複雑性と対応の難易度の高さ、アナログなオペレーションが多い等、さまざまな課題が山積した業界でもあります。
IT業界のバックグランドを持ちながら、家業で船舶事業を長年経験された戸高さん率いるザブーンの経営チームのクオリティ、本領域における情熱の高さ、プロダクトの急速な立ち上がり状況を拝見し、今後の全社戦略をディスカッションさせていただくなかで、本ラウンドでリード投資家として出資させていただくことになりました。
DIMENSION一同、ザブーンのミッション実現に向けてご一緒できることを楽しみにしております。
■インキュベイトファンド 代表パートナー 和⽥圭祐氏
ザブーン社には2021年に初回投資をさせていただいており、今回2度目の出資となります。
戸高氏の長年に渡る海運業界の経験に基づき「MARTIME7」の開発を進めてきましたが、多くの会社様にて定常業務での運用が無事に始まり、現場の強い支持を得ながらの順調な船出となりました。
今回の資金調達を通じて新たな応援団も増え、営業及びサポート体制の拡充とプロダクトの更なる進化に向けて、一層邁進していただければと思います。
ザブーンが日本の海運業界に欠かせない船舶管理のプロフェッショナル集団となり、「海事産業をより魅力的に」というミッションの実現を期待し、引き続き支援して参ります。
■SMBCベンチャーキャピタル株式会社 投資営業第一部 部長代理 渡辺雄太氏
今回、ご縁をいただきご投資させていただくことになりました。
日本における海運の役割は大きく、貿易量の実に99.6%の輸送を担っており、欠かすことのできないインフラとして機能しています。
一方で業界特有のアナログな慣習が解消されず、結果として働き手の減少が着実に進行している事実もあります。様々な問題を放置することによる影響は業界内に留まらず、多くの人々の生活に波及していくことは明らかです。
家業が海運であり業界経験が豊富且つペインを肌で感じてきた戸高さんが、この問題に取り組むことに大きな意義があると考えております。
現場の働き方を理解し、尊重しているからこそ生み出されるサービスを以て、業界全体のアップデートがなされることを強く期待しております。当然にSMBCグループとしても確りとオールを漕いで参ります。
■山口キャピタル株式会社 ディレクター 山口亮太氏
日本では輸出入の99%超を海上輸送が担っていますが、とりわけITの導入・活用が遅れています。
ザブーン社は、現場が使いやすいプロダクト開発にとことんこだわり、システム定着化を実現するための支援を手厚く行うことで業界DXを促進しています。
今後もアナログな業務フローや人員不足解消に資する様々な機能を開発していくことで、海事産業に新しい波をどんどん届けて欲しいと思います。
弊社としてもグループで連携し、瀬戸内・北部九州でのサービス展開を積極的に支援していくことで、ザブーン社の成長と海事産業の更なる発展に貢献してまいります。
株式会社ザブーン CEO 戸高克也氏コメント
ザブーンを立ち上げた背景の一つとして、海事産業が今の若い人たちに認識されていない事が挙げられます。
さらに、島国日本の輸出入99%以上を船舶輸送が支えているにも関わらず、現状は他業界のようなITツールの活用が進んでいません。
こうした背景や船員法の改正もあり、昨年6月にリリースした「MARITIME 7 船員労務管理」は多くのお客様に支持され、半年間で全内航隻数の数%へ導入を進めてきました。そして、初回調達からちょうど1年後の昨年12月に今回ラウンドの資金調達を完了しました。今回の資金調達を受け、今年はさらなる成長を進めていく為の人材採用、プロダクト開発の強化に取り組んで参ります。
ザブーンはこれからも「海事産業をより魅力的に」というビジョンのもと、お客様とスピード感を持って業界の課題解決に挑戦します。
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