介護リハビリテックのRehab、科学的介護の実現に向けて約11.3億円の資金調達を実施
介護事業所向けにリハビリ支援ソフト「リハプラン」を提供する株式会社Rehab for JAPANは、シリーズDラウンドにおいて、SMBCベンチャーキャピタル株式会社とJPインベストメント株式会社をリード投資家とし、新規投資家・既存株主を引受先として、合計11.3億円の第三者割当増資を実施した。今回の資金調達を含めて累計調達総額は約21億円となった。
同社は「介護に関わるすべての人に夢と感動を」をビジョンとし、より多くの高齢者が健康的に長生きすることで幸せに長く暮らせる世界(健康寿命の延伸)に向けて、「エビデンスに基づいた科学介護」の実現を目指すスタートアップ企業。
介護業界のトレンドである自立支援と科学的介護の追い風をうけ、主力事業の「リハプラン」は約4年で10倍以上の成長を遂げたという。累計導入事業所数はすでに1,400社を超え(2023年1月時点)、小規模デイから大手法人までさまざまな介護事業所が利用している。
また「リハプラン」を通じて、医療機関やPHRではなかなか取得できていない約15万人の「高齢者のリアルな生活情報」を精度・頻度共に高く保有しており、分析解析可能なケアデータプラットフォームを構築した。
今回の資金調達によって、既存事業の飛躍的な成長拡大に向けての組織基盤の強化と、新規事業の立ち上げを実現し、高齢者中心の介護ヘルスケアプラットフォームづくりを推進していくという。
同社が解決したい社会課題とは?
世界で最も長寿国の1つである日本。2022年現在は総人口の4人に1人が高齢者。2040年には3人に1人が高齢者の時代となる。一方で、日本人の平均寿命と健康寿命の差は、女性で約12.1年、男性で約8.7年といまだに大きな開きがある。75歳以降から要介護になる率は急激に増え、今は元気なアクティブシニアも、いずれはほぼ必ず「要介護」になる。
要介護となった高齢者の現実は、「自分らしく生きる生活」から、「周囲に迷惑をかけない生活」へのシフトを強いられている。要介護者が生活する上での選択肢はまだまだ少なく、事故やリスク回避からやれることすら制限されてしまうこともある。誰しもが人生で最期に通る「介護」の問題だという。
この要因の一つとして、介護の業界ではサービスを提供する人材が大幅に不足していることと、業界全体でテクノロジー活用が進んでいないことがあるという。
同社は、介護事業者やヘルスケア企業、高齢者に対して、テクノロジーを活用した新たなソリューションを提供し、アウトカムの抽出、解析、統合を繰り返すことでエビデンスやインサイトを見つけ、新たな体験や行動変容を創り出して行く。
介護におけるリハビリとは、身体能力回復だけではなく、高齢者一人ひとりの生活、性格、家庭環境などに合わせて、その人のライフスタイルをデザインすることだという。その人が、高齢であっても、病を抱えていても、けがを負っていても、自分のしたいこと、目標を実現できる人生を生きる。同社は、そんな社会、環境をつくることを使命としている。
今回の引受先
前列左より郭 夏氏(JPインベストメント)、大久保 亮(代表取締役社長CEO)、池上 晋介(取締役副社長COO)、中野 哲治氏(SMBCベンチャーキャピタル)
後列左より杉谷 謙太氏(SMBCベンチャーキャピタル)、副島 直和氏(南都キャピタルパートナーズ)、水上 圭氏(JPインベストメント)、青木 武士氏(キャピタルメディカベンチャーズ)、小野 岳児氏(小野デジタルヘルス)、小林 正克氏(小野デジタルヘルス)、堺 敦行氏(南都キャピタルパートナーズ)、井上 智子氏(オムロンベンチャーズ)、栗下 泰孝氏(オムロンベンチャーズ)、木村 沙織氏(Aflac Ventures Japan)、清藤 利郎氏(Aflac Ventures Japan)、柴田 裕貴氏(MTGベンチャーズ)、伊藤 仁成氏(MTGベンチャーズ)
<今回の引受先>
・SMBCベンチャーキャピタル株式会社
・JPインベストメント株式会社
・小野デジタルヘルス投資合同会社 ※1
・オムロンベンチャーズ株式会社
・Aflac Ventures LLC ※2
・やまと社会インパクトファンド※3
・株式会社MTG Ventures
・エンジェル投資家(社名非公開)
※1 小野薬品工業100%出資子会社。医薬品事業以外のヘルスケア分野のベンチャー企業等へ投資を行うCVC
※2 Aflac Ventures Japan株式会社が投資活動を支援
※3 南都キャピタルパートナーズ株式会社と株式会社キャピタルメデ^_^ィカ・ベンチャーズが共同で設立した地域の課題解決を図る地銀初の社会インパクトファンド
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