enechainと損保ジャパンが共同開発、電力業界の信用リスクを低減する『eClear』の提供を開始
日本最大のエネルギー卸取引マーケットプレイスを運営する株式会社enechainと、損害保険ジャパン株式会社は連携し、電力業界の信用リスクを低減する新たなサービス『eClear』※を共同開発し、提供を開始した。
※『eClear』はenechainが提供するサービス。
背景
2021年冬以降の卸電力取引市場の価格変動の高まりを背景に、電気事業者によるリスクヘッジの必要性が強く認識されている。リスクヘッジのひとつとして法人間で個別に取り交わされる相対契約のニーズが高まっているが、相対契約では取引先の信用リスクという大きな課題が存在している。特にロシアによるウクライナ侵攻後、世界のエネルギー価格は高騰しており、電力業界全体の取引信頼性を高める必要がある。
そこ、enechainと損保ジャパンは、この課題を解決すべくエネルギー事業者の信用問題の発生や連鎖倒産等を防ぐサービスを設計・開発した。
『eClear』の概要
『eClear』とは、enechainが運営する日本最大の電力ヘッジ取引のマーケットプレイスにおいて、エネルギー事業者の代金未払いリスクを保険で低減するサービス。『eClear』はenechainと損保ジャパンが独自で設計・開発したもので、エネルギー事業者の信用問題の発生や連鎖倒産等を防ぎ、マーケット全体で電力の現物取引の信頼性を高める日本初の取組み。電力取引には、電力現物の受渡有無や取引形態(相対取引・取引所取引)等により、複数の取引方法があるが、今回開始したサービスは現物の受渡がある相対取引を対象とするものだ。2022年9月1日からサービス提供を開始し、既に初回取引が成約に至っている。
電力業界各社からのコメント
(1) 業界大手サプライヤーからのコメント
「これまで現物の卸販売を行う際の与信管理は経営課題の一つとなっていたが、本仕組みを活用することにより与信リスクを低減した形で取引を行うことができる。与信管理の手段の一つとして、今後、『eClear』に期待したい。」
(2) 業界大手新電力からのコメント
「特に新規取引先との取引においては、買主売主双方で、与信チェックや契約書のすり合わせに時間を要し、スムーズな取引が出来なかった。本仕組みを利用する事でこれまで以上にタイムリーな取引が可能となり、リスクヘッジやポジション管理がしやすくなる。」
今後について
enechainと損保ジャパンは同仕組みを活用し、これからも電力取引の信頼性の拡大に取り組み、enechainの “Building energy markets coloring your life” というミッションの実現と、損保ジャパンの目指す “Innovation for Wellbeing” の実現に向けて、引き続き連携を深め、電力業界の発展に貢献していくという。
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