核融合スタートアップの「Helical Fusion」| Sony Innovation Fundほか、個人投資家などから6500万円の資金調達
ヘリカル型核融合炉の開発を目指す株式会社Helical Fusion(ヘリカルフュージョン)は、プレシードラウンドにて6,500万円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は、日本マイクロソフト元社長の成毛眞氏、レオス・キャピタルワークス代表取締役会長兼社長の藤野英人氏、医学博士・メディアデザイン学博士の浅田一憲氏、Sony Innovation Fund、Plug and Play Japan株式会社、戦略デザインファームの株式会社BIOTOPEだという。今回の資金調達で、世界初の定常核融合炉開発を加速していく考えだ。
Helical Fusionについて
Helical Fusionは、磁場閉じ込め方式で核融合エネルギーの社会実装を目指すスタートアップだ。人類が60年以上かけて挑戦してきた核融合炉の実現が、ようやく見えてきたと同社はいう。その最終コーナーを最速で駆け抜けるため、世界で様々な核融合方式が開発されているそうだ。
日本では、DNA に似た二重らせん構造の超伝導ヘリカルコイルを用いて、高温のプラズマを安定に閉じ込めるヘリカル方式が生まれ、大きく育まれてきた。Helical Fusionは、このヘリカル方式にさらなる独自の最先端技術を取り入れた、世界初の定常核融合炉の開発を目指す。今回調達した資金をもとに、核融合炉の社会実装に必要な最新鋭の技術開発を進め、事業を加速化するという。
投資家からのコメント
■成毛眞氏(日本マイクロソフト元社長)
『核融合炉開発は21世紀のムーンショットです。地球のエネルギー問題・環境問題を解決するだけでなく、さまざまなスピンオフ・スピンアウト技術が生み出されてくると確信しています。それゆえに20世紀は宇宙開発や核分裂炉開発などが国家主導で行われましたが、21世紀は民間主導で進められなければなりません。核融合炉開発からもたらされた知見を他の分野においても利活用するための資金と経験を提供することにいたしました。』
■藤野英人氏(レオス・キャピタルワークス株式会社、代表取締役会長兼社長)
『低コストでクリーンなエネルギーを共有できるかもしれない夢の技術が核融合発電。この分野で日本はもとより世界でも有数の技術力を持った専門家集団が起業をしました。今回は成功するまで10年以上はかかる見込みであり、私は会社としてではなく個人のエンジェルとして投資をしました。国内のみならず世界のエネルギー問題の解決のためには核融合発電の開発が最大のゲームチェンジャーになります。私の持っている力を最大限発揮して、人類の未来のために応援していきます。』
■佐宗邦威氏(株式会社BIOTOPE、代表取締役)
『この度、カーボンゼロの実現に向けた自給可能な持続可能エネルギーである核融合炉の設計を志すHelical Fusion社に戦略デザインファームBIOTOPEとして出資させていただきました。世界的に競争力のある技術力と、前例のない核融合炉の設計というイノベーションを実装できるチームを評価しております。核融合炉の実装による地域で自給可能なクリーンエネルギーの実現という共同で作ったビジョンを実装するため、今後も戦略デザイン面で支援させていただきたいと思っております。』
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