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QunaSys×豊田中央研究所 | 量子ダイナミクス計算を活用した革新的材料設計アプリケーションの開発に着手

QunaSys×豊田中央研究所 | 量子ダイナミクス計算を活用した革新的材料設計アプリケーションの開発に着手

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量子コンピュータ向けアルゴリズム・ソフトウェア開発に強みを持つ株式会社QunaSysと、株式会社豊田中央研究所(以下、「豊田中研」)は、今回、量子コンピュータ上で動作する量子ダイナミクスを活用した新奇アプリケーションの構築を目指した共同研究を開始した。

▲上写真:QunaSysと豊田中研メンバ

研究の概要

量子コンピュータは、既存のコンピュータとは異なる原理で動作し、現在スーパーコンピュータを用いても太刀打ちできない複雑な問題を、高速に解ける可能性があるとされている。特に、材料シミュレーションは、現在提案されているアプリケーションの中で最も早く実益がもたらされる可能性が高く、例えば、高精度な電子状態計算が求められる窒素固定や人工光合成材料等への応用が期待されている。


▲出典 BCGレポート

量子コンピュータ上での材料シミュレーション実現に向けて、世界中で量子アルゴリズムの開発が活発化している。QunaSysも、量子領域における高い専門性を活かし、これまで世界に先駆けて革新的なアルゴリズムの提案を行ってきた。

今回、QunaSysと豊田中研は、材料シミュレーションの中でも特に、既存のコンピュータで解くことが難しいとされる「分子系に対する量子ダイナミクスシミュレーション」に着目し、量子コンピュータ上で実現するためのアルゴリズム開発、及びこれを活用した新奇アプリケーションの開発に着手した。

量子ダイナミクスシミュレーションは、原子核の量子効果及び電子と原子核の運動のカップリングである非断熱効果を考慮することができ、自然現象をより正確に記述できる手法。一方で、これまでは、計算リソースの制約から十分に大きな系を扱うことが難しく、産業的な活用余地は限定的だった。


▲量子ダイナミクスのイメージ図

今回の共同研究を通じて、量子コンピュータ上での量子ダイナミクスシミュレーションの手法が実現すれば、量子コンピュータ実機の発展に伴って、これまで扱うことができなかった系を扱うことができるようになる。将来的にはこれまで取り入れることが困難であった非断熱効果を顕に扱った機能性材料の設計等も見据えることができ、材料設計のありかたを大きく変えることが期待される。

背景

豊田中研ではこれまでも、電池や触媒、人工光合成等の機能性材料開発に資するため、材料計算・マテリアルズインフォマティクスの研究にいち早く取り組んできた。さらなる産業貢献のため、量子コンピューティングによる計算科学技術の革新に取り組んでいるという。

また、QunaSysは量子コンピュータの社会実装を志向し、材料開発の現場で実際に活用できるアルゴリズムやアプリケーションの開発に注力してきた。

今回、豊田中研の持つ産業ニーズと計算科学に対する高い専門性、及び、QunaSysの量子コンピュータ・量子化学に対する高い専門性・知見を掛け合わせることで、機能性材料開発のブレイクスルーとなるような革新的な成果を創出可能との考えから、二社の共同研究の実施に至ったという。

株式会社QunaSysについて

株式会社 QunaSys は量子コンピュータのアルゴリズム・アプリケーションエンジンの開発を行っている。量子コンピュータの新しい使い方・アルゴリズムを提案し、それらのアルゴリズムを実際の材料開発に活用するためのソフトウェアの開発等を行っている。

また、エコシステム形成に向けた取り組みにも力を入れている。昨年7月より、量子コンピュータの応用検討コミュニティQPARCを運営し、豊田中研をはじめとした国内主要企業50社と共に、実用化に向けたユースケース探索に取り組んでいる。

株式会社豊田中央研究所について

株式会社豊田中央研究所は、「研究と創造によって産業とその基礎の発展に尽くし、人類の永続的な繁栄に貢献する」を基本理念とし、トヨタグループ各社の出資により、科学技術と産業の発展に寄与する研究に取り組んでいる。トヨタグループの研究機関として、グループ各社の重要課題を解決する、グループ全体の先端研究をリードすると共に、「社会全般への貢献として新産業・新事業を創る」ことを使命としている。

2019年4月、オープンイノベーションの研究拠点として開設した東京キャンパスでは、「人間」「社会」「数理」領域を中心とした研究活動に取り組んでいる。

※関連リンク:プレスリリース

TOMORUBA編集部

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