
革新的な量子コンピュータの開発に取り組むYaqumo、7億円の資金調達
株式会社Yaqumoは、Beyond Next Ventures株式会社、京都大学イノベーションキャピタル株式会社、ANRI株式会社を引受先とする第三者割当増資を通じ合計7億円の資金調達を実施した。
加えて、YaqumoはNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募する数十億円規模の大型補助金事業である「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/量子コンピュータの産業化に向けた開発の加速」に採択された。
Yaqumoについて
Yaqumoは、量子コンピュータの有力方式の1つ「中性原子方式」において、世界の研究開発をリードする京都大学高橋研究室と分子科学研究所大森研究室の研究成果を基礎として設立されたスタートアップ企業。
中性原子方式は、超電導方式のような大型の極低温冷凍機は不要で、量子ビットの数を増やしやすいなど設計の柔軟性が高いのが特徴である一方、「繰り返し量子誤り訂正が困難」、「計算速度が遅い」といったデメリットが指摘されていた。このようなデメリットに対して京都大学高橋研究所や分子研大森研究所の研究成果を持ち寄ることで、革新的な量子コンピュータハードウェアの研究・開発を進めている。
資金使途
Yaqumoは今回の第三者割当増資で調整した資金およびNEDOからの補助金を用いて、京都大学との連携を通じ、現在開発中のイッテルビウムを用いた中性原子方式の量子コンピュータに関し、量子ビットをはじめ、操作用のレーザーや制御システム、量子アルゴリズムを実行するための基本操作である量子ゲート、量子ゲートを組み合わせた量子回路設計、初期的な誤り訂正等の一連の機能の開発を行う。
また分子科学研究所との連携を通じて、安定稼働の検証、システムインテグレーション等の実証実験及び製品開発を進めていく。上記の研究を通じて2027年度中にイッテルビウム原子を用いた誤り耐性量子コンピュータ(FTQC機)のプロトタイプ機を開発する計画となっている。
関連リンク:プレスリリース
(TOMORUBA編集部)