農業従事者の平均年齢は66.8歳。高齢化・人材不足・自給率低下など日本の農業問題解決のために注目を集める「アグリテック」とは?
多くの課題を抱える日本の農業。
2016年に農林水産省が発表した「農業構造動態調査」。この調査によると、国内の農業就業人口は192万2200人となり、現行の統計基準となった1995年以降、初めて200万人を下回った。また、農業従事者の平均年齢は66.8歳。他の産業に比べて従事している年齢層は極めて高く、高齢化とともに耕作放棄地が増加、人手不足も深刻さが増してきている。
さらに、農林水産省が発表した「食料需給表」の食料自給率によると、2015年度の食料自給率(カロリーベース)は6年連続横ばいとなる39%という数値を記録。政府は、「2025年度までに食料自給率を45%にする」という目標を掲げているものの、実際には長期的に減少傾向で推移。しかも、先進国の中でも最も低い水準となっている。このように、日本の食生活の半分以上は外国からの輸入に依存。地球温暖化や世界的な異常気象、水不足、家畜の伝染病など大きなリスクを抱えている。
こうした日本の農業の諸問題を解決するために注目されている「アグリテック(AgriTech)」だ。最新テクノロジーやビッグデータ、IoTなど活用し、高い生産技術を持つ熟練農家の様々なデータを収集・蓄積してノウハウをシステム化。農作業の効率化に活かすと同時に、人材育成にも役立てていく。2017年5月には、アグリテック企業を集めて開催されたイベントで、衆議院議員である小泉進次郎氏が登壇し、「アグリテック」の活用推進を語ったことも注目を集めた。
大企業による「アグリテック」の取り組み。
実際に、大企業においても「アグリテック」への取り組みは始まっている。その先駆的な事例が、クボタが展開する営農支援サービス「KSAS(クボタスマートアグリシステム)」だ。KSAS対応の農機を使う農業生産者は、車載無線ユニットを通じて田植えや収穫などの作業をするたびにセンサーからデータを取得。このデータを活用することで、肥料を減らしたり、水分量に応じて乾燥機の動作を調整したりといった判断を可能にしている。さらにクボタは、2017年6月に有人と無人のトラクターが同時に畑などを耕す自動運転農機「アグリロボトラクタ」の試験販売もスタートさせている。
一方、ソフトバンク・テクノロジーは、農業分野で提携するベンチャー企業のマイファームと合弁で、子会社のリデンを設立。日本中の遊休農地を検索できるサイト「農地の窓口」を運用している。
7/25開催の「eiicon meet up!! vol.6」はアグリテック特集。
eiiconでは、7月25日(火)にピッチイベント「eiicon meet up!! vol.6」を開催。今回は、SDGs No.2『飢餓をゼロに。飢餓に終止符を打ち、食糧の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する。』をテーマに、「飢餓0/持続可能な農業」を目指すAgriTech系スタートアップが登壇。以下のURLからイベント参加の申し込みができるので、ご興味のある方は是非ご参加ください。 https://techplay.jp/event/623301
<eiicon meet up!! vol.6開催概要>
■日時……7月25日(火)8:00〜9:00
■場所……Clipニホンバシ 東京都中央区日本橋本町3丁目3-3 Clipニホンバシビル1階
■登壇企業……以下の5社となります。
◎株式会社SenSprout 農業センサーシステム「SENSPROUT PRO」
https://eiicon.net/companies/1008
◎株式会社 笑農和 稲作にIoT技術 富山のベンチャー
https://eiicon.net/companies/511
◎株式会社セプトアグリ 世界一優れた水耕栽培技術の確立を目指しています
◎ECOLOGGIE 経済的にも、環境的にも持続可能を目指す養魚飼料
http://www.j-wave.co.jp/original/innovationworld/dreampitch/170421_dp_01.html
◎銀座農園株式会社 「匠を仕組みに。トマト産業に生産・流通革命を。」農業開発事業等を展開