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豊田自動織機×Daigasグループがアンモニア専焼による金属熱処理に成功 量産規模の実証試験炉で実製品と同水準の品質を国内で初確認

豊田自動織機×Daigasグループがアンモニア専焼による金属熱処理に成功 量産規模の実証試験炉で実製品と同水準の品質を国内で初確認

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株式会社豊田自動織機と、DaigasグループのDaigasエナジー株式会社は、自動車・産業用エンジン部品の製造工程において、アンモニア燃料のみを用いた金属熱処理の実証評価試験に成功した。量産規模の実証試験炉を用い、実際の量産品と同水準の製品品質を確認した事例は国内初となる。

本実証は、豊田自動織機東知多工場(愛知県半田市)の鋳造ラインに新設された実証試験炉で実施された。Daigasエナジーが新たに開発したアンモニア専焼対応バーナを搭載し、自動車用エンジン部品の金属熱処理工程における品質や燃焼特性を検証。その結果、都市ガス専焼時と同等の温度条件を満たし、製品品質に影響を及ぼすことなく熱処理が可能であることが確認された。

カーボンニュートラルに向けた製造現場での燃料転換

豊田自動織機東知多工場では、エンジン用鋳造部品の製造にあたって多数の熱処理炉やアルミ溶解炉が稼働しており、CO₂排出量の削減が重要な課題となっている。2050年カーボンニュートラル達成に向け、製造プロセスでの燃料転換は避けて通れないテーマだ。

一方、工場が立地する愛知県・衣浦港周辺では、脱炭素燃料であるアンモニアの受入環境整備が検討されている。こうした地域特性と将来構想を背景に、同工場ではアンモニア利用技術の探索を進めてきた。

Daigasエナジーは、これまで業務用機器や工業炉向けの都市ガスバーナ開発を通じて、安全かつ高効率な燃焼技術を蓄積してきた。近年は水素やアンモニアといった次世代燃料への対応も進めており、今回の実証はその知見を製造現場に応用した取り組みとなる。

技術課題を克服したアンモニア専焼バーナ

アンモニアは燃焼速度が遅く、安定燃焼が難しいほか、燃焼時に窒素酸化物(NOx)が発生しやすいといった課題を抱える。Daigasエナジーは、大阪ガス先端技術研究所が有するアンモニア燃焼の基礎知見と、これまでのバーナ開発ノウハウを融合し、金属熱処理工程向けのアンモニアバーナを新たに開発した。

新開発バーナは、循環流を形成してアンモニアと燃焼用空気の混合を促進する構造を採用。さらに、燃焼用空気を多段階で供給することでNOx排出を抑制し、都市ガス専焼・アンモニア専焼の双方に対応する設計となっている。

▲鋳造工程の概要

実証試験では、アンモニア専焼においても温度条件を安定的に維持でき、アンモニア中の窒素成分による金属の「窒化」影響も確認されなかった。結果、量産品と同水準の強度・品質を実現している。

製造プロセス脱炭素化への展開を視野に

本実証を通じ、両社は金属熱処理工程におけるアンモニア燃料活用の実現可能性を示した。今後は、実証で得られた成果を踏まえ、導入に向けた課題整理や他の製造設備への適用拡大を検討していく方針だ。

豊田自動織機は、再生可能エネルギーやアンモニア、水素といったクリーンエネルギーへの燃料転換を進め、製造プロセスの脱炭素化を加速させる構えである。一方、Daigasグループも「Daigasグループ エネルギートランジション2050」のもと、脱炭素社会の実現に向けた技術・サービス開発を推進している。

アンモニアを活用した製造現場の脱炭素化は、今後の産業界における重要な選択肢の一つとなりそうだ。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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コメント1件

  • 鈴木晴也

    鈴木晴也

    • ZenithLeather
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