独自開発の無線通信規格UNISONetを展開するソナス、総額約4.5億円の資金調達を実施
独自開発のIoT向け無線通信規格「UNISONet(ユニゾネット)」を提供する東大発ベンチャー・ソナス株式会社は、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(以下、東大IPC)、JR東日本スタートアップ株式会社、ANRI株式会社を引受先とする第三者割当増資及び金融機関による融資により、総額約4.5億円の資金調達を実施。今回の資金は、製品・事業開発やマーケティングの強化に充てる計画だという。今後も、従来の無線の常識を覆す革新的な無線UNISONetによって、あらゆる産業のIoT化促進に貢献していく。
UNISONetは、「同時送信フラッディング」という革新的な転送方式を用いることにより、従来の無線では難しかった「安定」「省電力」「高速」「双方向低遅延」「データロスレス」「ネットワーク内時刻同期」「ネットワーク内多数収容」を同時に実現した当社独自のIoT向け無線通信規格。
同社は、このUNISONetを軸に、同無線を搭載した通信モジュールや計測システムといった製品の提供や、システムインテグレーションサービスを展開。2017年の事業開始当初は、橋梁や建築物の維持管理のための構造モニタリングに使用される無線振動計測システムの販売を主としていたが、製品・サービスの拡充などにより、製造業や鉄道業界など多くの業界でUNISONetが利用されるようになっている。
今後は、今回調達した資金により、新製品開発や品質強化、新規事業開発を活発化させていく。また、広告宣伝やパートナー企業開拓のためのマーケティング活動にも投資し、UNISONetの標準化やグローバルスタンダード化に向け、ビジネス展開を加速させていくという。
資金調達概要
■調達額:約4億5000万円
■調達方法:第三者割当増資、融資
■引受先:東大IPC、JR東日本スタートアップ、ANRI
引受先コメント
■東大IPC マネージャー 古川 圭祐氏
2017年に弊社の起業支援プログラムでソナス社を採択させて頂き、創業当初から支援して参りました。世界には様々なIoT 向け無線通信技術がある中、ソナス社の「UNISONet」は、これまで事業者が課題に感じていた通信速度と通信範囲のトレードオフ等を絶妙に解決できる技術だと大いに期待しており、この度、株主として改めてご一緒できることを非常に嬉しく思います。今後、ソナス社と共に日本発世界標準となる無線通信方式の展開を目指します。
■JR東日本スタートアップ シニアマネージャー 俵 英輔氏
UNISONetは、従来の無線では難しかった安定性やデータロスの課題を克服し、「安全」「安定」が不可欠な鉄道事業への導入も可能であることが実証実験を通じて確認できたことで、今回資本提携させて頂くこととなりました。センサ技術と無線IoT化によるDXが鉄道分野のセキュリティ向上や設備状況に応じたスマートメンテナンスを加速させると確信しており、将来的にはスマートステーション・スマートシティへの実装など、駅や地域の価値向上にもソナスと共に挑戦していきたいと思っています。
■ANRI ジェネラルパートナー 鮫島 昌弘氏
前回ラウンドに続き投資させて頂きました。ソナス社の立ち上げ期は弊社のインキュベーション施設(当時は家系ラーメン屋の二階)にて他のベンチャーさんと切磋琢磨していましたが、それを遥か昔に感じるくらい大きな成長を遂げています。IoTというバズワードに踊らされることなく愚直に取り組む皆さんの背中が眩しいです。社会の礎を成す、ソナス。間違いなく50年後の日本を代表する会社になっているでしょう。キバレ!ソナス!
■ソナス代表取締役CEO 大原 壮太郎氏
弊社は、独自の省電力無線UNISONetによりあらゆる産業がIoTの恩恵を享受可能な社会の実現を目指す東大発スタートアップ企業です。
この度、東大周辺のイノベーション・エコシステムの発展を目指す東大IPC様、多様なアセットとIoT化の具体的ニーズを持つJR東日本スタートアップ様、シード投資後も全投資ラウンドをフォロー投資で支えて頂いているANRI様の3社より投資をいただけることになりました。既存株主のグローバル・ブレイン様も含めた最強のチームとともに、東大発、日本発、IoT無線のグローバルスタンダードを実現すべく、タッグを組んで取り組んで参ります。
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