チャットコマースと接客DXの「ジールス」 | Zベンチャーキャピタル、電通・博報堂DYグループなどから総額18億円の資金調達
“おもてなし革命“を掲げ、「チャットコマース」と「接客DX」を展開する株式会社Zeals(ジールス)は、第三者割当増資および金融機関からの融資、コミットメントライン契約締結とを合わせて総額18億円の資金調達を実施した。
第三者割当増資の引受先となったのは、Zホールディングス傘下のZ Venture Capital株式会社、株式会社電通グループ、HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUND(博報堂DYグループのCVCである株式会社博報堂DYベンチャーズが運営するファンド)、ジャフコ グループ株式会社だ。あわせてジールスは、株式上場の準備を開始したという。
資金調達の目的
ジールスは、チャットボットの技術をマーケティングに生かした「チャットコマース」とチャットボットをビデオ接客ツール、予約システムといった一連の接客サービスと連携させる「接客DX」を展開している。これらの事業は非接触・非対面でのコミュニケーションが求められる時代に、日本が世界に誇る”おもてなし”をデジタル化することであり、その挑戦を加速すべく、今回の資金調達を実施したという。
ジールスの強み
同社の「チャットコマース」は、チャットボットと会話しながら商品が購入できるサービスで、導入先は約400社、エンドユーザーは延べ430万人、会話分析データ数は4.5億に及ぶという(2021年3月現在)。資産化したデータを活用することで、ユーザーに寄り添ったコミュニケーションを可能とし、お客様のマーケティング戦略に貢献している。
また、テクノロジーの力で新たな顧客体験と産業モデルの構築を目指す「接客DX」は、単に無人化や効率化を図るためのツールではなく、AIと人の統合ソリューションだ。オンラインでも感動や温かみのある接客体験を実現することを可能とし、旅行業界や自動車業界への導入事例をはじめ、さまざまな業界から注目を集めている。
今後の展開
今回調達した資金は、事業領域拡大に伴う投資および全職種における採用活動の強化、プロダクトの開発体制構築、マーケティング活動への投資などに充当するという。これらをもとに、今後も同社は顧客のさまざまな課題を解決する企業として「おもてなし革命」を加速していく考えだという。
投資家からのコメント
■Z Venture Capital株式会社 取締役COO 都 虎吉 氏
『ジールスは、コミュニケーションを軸に、一般消費財から金融商品の販売、そして求人サービスの提供まで、多岐にわたるクライアントの販売促進活動に取り組んでまいりました。その基盤にあるのは、AIを軸にしたチャットボットテクノロジーの力やオペレーションの徹底化です。すでに、この領域ではNo.1のポジションを強硬に築いており、今後もコミュニケーション×コマース領域で前例のない挑戦をしていきます。
コミュニケーションを通じたモノの販売・サービスの提供に、無限の可能性を感じるZ Venture Capitalと、ど真ん中で活躍しているジールスと共に、「日本をぶち上げる」未来を創造していくことに、とてもワクワクしています。Z Venture Capitalが、統合後初めて発表する投資案件となり、気を引き締めて全力で支援してまいりたく存じます。』
■株式会社電通グループ
電通イノベーションイニシアティブ エグゼクティブ・ディレクター 石橋 英城 氏
『コロナ禍により、これまでの接客サービスのあり方が世界的に見直される中、お客様起点での対面/非対面のハイブリッドサービスを可能にする「接客DX」で、日本らしい「おもてなし」の未来を切り拓かれることを期待しております。』
■株式会社博報堂DYホールディングス 執行役員 兼
HAKUHODO DY FUTURE DESIGN FUND
博報堂DYベンチャーズ 代表取締役社長 徳久 昭彦 氏
『ジールスは、チャットコマース「ジールス」を提供し、企業のCVRを最大化するプロ集団です。また、店舗接客をデジタル化する「接客DX」の提供も開始し、コロナ禍のピンチをデジタル化でチャンスに変えていくことに大いに期待しています。今後は、博報堂DYグループが有する生活者発想やフルファネルのマーケティングに関する知見などを掛け合わせ、企業のマーケティングの進化とイノベーションの創出を、ともに目指していきたいと思います。』
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