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3/17~19開催「IVS 2021 Spring」若手ファーストのコミュニティを目指す『新生IVS』の想いとは

3/17~19開催「IVS 2021 Spring」若手ファーストのコミュニティを目指す『新生IVS』の想いとは

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国内最大級の規模を誇り、インターネット業界老舗カンファレンスの1つ「IVS(Infinity Ventures Summit)」。3月17日(水)〜19日(金)には、オンラインとオフラインのハイブリッドで「IVS 2021 Spring」を開催します。

今回は、昨年から代表を務める島川敏明氏にイベントの見どころや、これまで長い間イベントを続けてこれた秘密について伺いました。昨年大きく組織体制を変更した背景や、今後のビジョンについても語ってくれました。

ボランティアとして初参加したIVSで、スタートアップの世界に魅了

ーーまずは島川さんがIVSに関わるまでの経緯についてお聞かせください。

島川氏 : 私はIVSに関わるまで理化学研究所で研究をしていました。ノーベル賞をとることを夢見て入所したものの、周りのレベルの高さに挫折していました。ノーベル賞の夢を諦めた私は、「バイオベンチャーで研究して人を幸せにしよう」と考え、スタートアップの世界に興味を持ち始めたのです。

早速インターネットでスタートアップの世界を調べ始め、最初に目に飛び込んできたのがIVSです。京都でイベントを開催するのに合わせてボランティアを募集しているのを知り、即座に応募しました。当時は関西で開催されるスタートアップのイベントは少なく、スタートアップの世界に触れられる貴重な機会だと思ったのです。

電話で応募したところ、その場で面接が始まり合格をもらいました。しかし、私の勘違いで開催地は京都ではなく宮崎だったのです。交通費が心配だったものの、せっかく掴んだチャンスだと思い飛び込むことにしました。

ーー初めてIVSに参加した感想はいかがでしたか。

島川氏 : スタートアップの世界に触れたのが初めてだったので、とても刺激的でした。スタッフとして働きながらも、ローンチパッドを見て「なんて面白い世界なんだ」と思いました。多くの起業家やインフィニティベンチャー以外のVCの方も多く参加していたので、イベントだけでなくコミュニティとしても面白いと感じました。

スタートアップの世界に魅了された私は、その後も事ある毎にIVSにボランティアとして参加するようになったのです。

ーーインフィニティベンチャーで働き始めたきっかけも教えてください。

島川氏 : 当時IVSを主催していた小野さん(小野裕史氏)に「今インフィニティベンチャーが人を募集しているんだけど」と誘ってもらったからです。当時はスタートアップの世界に進むために、どうせならシリコンバレーに行こうかと考えているところでした。

そんなタイミングでのお誘いだったので「VCとしてスタートアップに関わるのも面白いな」と思い快諾したのです。単純にIVSのコミュニティが好きだったことも大きな理由ですね。


▲株式会社インフィニティベンチャーズサミット 代表取締役 島川敏明氏

「若手ファースト」のコミュニティを目指し試行錯誤の日々

ーーIVSは2007年にスタートし、日本でも老舗のカンファレンスですが、これまで長く続けてこれた理由を教えてください。

島川氏 : 常に業界のトレンドやエコシステムの変化に柔軟に対応してきたからです。一昔前ならモバイルサービスが中心だったスタートアップ業界も、今や多様化し様々なトレンドがあります。それに対応してコンテンツやコミュニティのあり方を変化してきたからこそ、これまで多くの方に支持されてきたのだと思います。

また、コミュニティにエコシステムが生まれているのも大きな要因です。昔IVSに参加した方の中には、大きく成長して業界でビッグネームになっている方も少なくありません。そういった先輩経営者が、後輩の経営者に人脈やノウハウをシェアするといったサイクルが生まれているため、自然とコミュニティが盛り上がりを見せてきました。

ーー島川さんが参加し始めてからはどのような変化を感じますか。

島川氏 : 私が初めて参加した4年前に比べて、若手の起業家が増えました。以前は既に実績を出している起業家の方が多く、若い人が参加するには少し高いハードルがありました。ここ1、2年は、私達も若い起業家に活用してもらいたいと動いていたので嬉しい変化ですね。

ーー島川さんが代表になった背景についても教えてください。

島川氏 : 組織の若返りを図るためです。ここ10年はコミュニティのメンバーにほとんど変化がなく、同窓会的になっていることに課題を感じていました。

その課題を解決するために、若手のメンバーを中心に据えてコミュニティを活気づけようとしたのです。そこで、まだ経験も浅い私に白羽の矢が立ちました。IVS経由でスタートアップの世界に入ったというストーリーと、人一倍コミュニティへの思い入れが強かったのが理由だと思います。

ーー組織が変わってからどのようなコミュニティに変えようとしているのですか。

島川氏 : 若手ファーストのコミュニティにシフトチェンジしています。若いといっても起業家の年齢ではなく、会社としての若さです。シード・アーリーステージのスタートアップに優しいカンファレンス作りを目指しています。

そのためにもコミュニティをオープンにし、外部のVCや起業家の意見も積極的に取り入れるようにしています。私達の視点だけでなく、様々な視点を取り入れながら、一緒にIVSを作っていきたいですね。

ーー現在は変化の過渡期なのですね。

島川氏 : 仰るとおり、これまでの制度を壊して試行錯誤を繰り返しているところです。傍からみたら「何をやっているんだ」と思うこともあるかもしれません。

しかし、急激にスタートアップ環境が変化している中、スタートアップをサポートする私達も変わっていかなければなりません。そのために自分たちが求められていることはなにか、どんな新しい価値を提供できるか考えながら邁進していきます。


※本記事で掲載しているイベント画像は、過去に開催されたIVSから抜粋したものです。

なぜIVSに参加すると「資金調達」と「PR」が成功するのか

ーーIVSが提供している価値を教えてください。

島川氏 : 大きく「資金調達」と「PR・営業」の、2つのチャンスです。多くの起業家と話していく中で、スタートアップが求めているのは「資金調達、PR・営業、採用」の3つだと分かりました。IVSではそのうちの2つの機会を提供しています。

IVSには多くの投資家も参加しているため、イベント中に資金を集めることもできます。過去には「1,000万円資金調達するために来ました」と公言している方もいて、1日目の夜には目標金額を達成していました。

資金調達がしやすい背景には、招待制ならではの心理的安全性があります。会場にいる誰もが、コミュニティメンバーの誰かしらの知り合いです。それだけでも信頼の担保になるため、比較的安心して投資できるのです。

ーーPR・営業に関してはいかがですか。

島川氏 : イベントには多くの決裁者が集まっているため、BtoBのサービスなら彼らに直接自分たちのサービスをPRすることができます。みなさん営業目的で参加しているわけではありません、コミュニケーションをしているうちに、結果として商談になることも珍しくありません。

ーー様々な価値があるイベントだと思いますが、特に参加メリットがある会社があれば教えてください。

島川氏 : 海外進出を検討している会社です。IVSには海外でも活動している投資家や起業家も多く参加しています。その繋がりから海外進出の糸口が見つかるかもしれません。

過去にはリクルートの「AirPay」が中国進出を考えている時に、IVSをきっかけに中華圏の人脈を作れたことで、中国進出に成功したケースもあります。

ーー他にもIVSをきっかけに大成したケースはありますか。

島川氏 : Wantedlyの仲さん(仲暁子氏)は、IVSでボランティアをしたことにより人生が大きく変わりました。当時登壇者のケアを担当していた仲氏は、登壇していたFacebookの経営者と話してFacebookで働き始めました。仲さんは今でもIVSの審査員として参加してくれています。

ANRI General Partnersのアンリさん(佐俣アンリ氏)もファンドを立ち上げる前にイベントスタッフとして参加していました。その後に独立して今では次のスタートアップを育てる立場に回っていますね。


※本記事で掲載しているイベント画像は、過去に開催されたIVSから抜粋したものです。

オンラインでもオフラインでも楽しめる「IVS 2021 Spring」

ーー「IVS 2021 Spring」の見どころについて教えてください。

島川氏 : 今回はオンラインとオフラインのハイブリッドでの開催です。昨年は完全オンラインで開催しましたが、技術的に至らないこともありオフラインイベントを代替するものではではありませんでした。

今年はオンライン・オフラインそれぞれの楽しみ方があり、どちらでもしっかりネットワーキングできる仕組みを用意しています。オンラインでは「oVice (オヴィス)」というバーチャルスペースシステムを使い、ストレスなく企業との出会いを楽しめるようにしました。

目玉コンテンツのローンチパッドを、オフラインで聞いて熱意を感じてもいいですし、オンラインでチャットしながら楽しむのもありです。マッチングを促進させるギミックも用意しているので、これまでよりも効率的に出会いを楽しめるはずです。

ーーマッチングを促進させる仕組みとは何ですか。

島川氏 : 経営者同士の繋がりを生む「IVM(INFINITY VENTURES MATCH)」というサービスを使ったコンテンツを用意しています。IVMは趣味や事業ニーズで経営者をマッチングさせるインフィニティ・ベンチャーズのサービスです。

イベントではIVMでマッチングした参加者が、その場で話せるコンテンツを用意しました。例えば「サウナ好き」「お酒好き」などラフな話題で集まれるので、これまでとは違った切り口での出会いを楽しめると思います。

ーー最後にこれからのビジョンについてお聞かせください。

島川氏 : 将来的に参加することで事業が加速するようなイベントにしていきたいです。人脈ができたり、資金調達が成功したりといった、直接事業にプラスになる成果を得られるイベントにブラッシュアップしていきます。

今やセッションを聞くだけなら様々なチャネルがあります。話を聞くだけなら、最近流行りの「clubhouse」でも事足りますよね。数あるチャネルがある中でIVSが選ばれるには、ビジネスにドライブがかかるような仕組みがなければいけません。

今はコロナの影響で経済も落ち込んでいますが、ワクチンも開発されこれから這い上がっていくタイミングです。IVSはこれから勝負に出るスタートアップのチャンスを作るイベントになるはずです。

(取材・文:鈴木光平)

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