EGGS 'N THINGS JAPAN| 飲食業界のDXを実現する“Customer Along Service”の構想を発表
ハワイアンカジュアルレストラン「Eggs'n Things」などを展開するEGGS 'N THINGS JAPAN株式会社(エッグスンシングス)は、Withコロナ時代の飲食業界におけるDXとして、“Customer Along Service”の構想を発表した。
取り組みの背景
飲食・小売・宿泊業界では、緊急事態宣言下の自粛要請の影響から、遠のいた客足を取り戻すべく“新しい生活様式”に即したサービスを提供できる環境の構築が急務だ。昨今、テイクアウトやデリバリーサービスなどが増えたものの、これらは従来の店舗で提供してきたサービスを、場所を変えて届ける代替策にすぎない。飲食店の本来の目的は、店舗でリアルな食体験を通じた豊かさを提供することだ。
エッグスンシングスは、このような課題や考えにもとづき、Withコロナ時代の飲食業界におけるDXを実現する“Customer Along Service”(CAS)構想を考案した。コストを削減しながら来店客一人ひとりに対してサービス力を上げるためのシステムを複数の企業と共同開発し、実店舗での検証を行うという。
“Customer Along Service” 各システム概要
(1) 事前注文システム
オンラインで時間指定・注文・決済の上、店舗でテイクアウトができるシステム。店舗側も調理タイミングを可視化できるので、店舗オペレーションを円滑にし、ピーク時には受注数の調整をかけることが可能だという。
(導入店舗:一部を除くEggs’n Things/Eggs’n Things Coffee全店舗)
(2) テーブルオーダーシステム
入店後、テーブル上にあるQRコードからメニューを読みとりオンライン上で注文・決済できるシステム。どのテーブルからオーダーされたかを把握することができるため、店員と来店客との接触機会は「料理提供時」のみとなる。店舗の省人化や席回転率向上にも寄与する。
(導入店舗:Eggs 'n Things Coffee 御殿場プレミアム・アウトレット店/Eggs 'n Things Coffee イーアス沖縄豊崎店)
(3) カスタマートラッキングシステム
来店客の行動を確認することができるコイン状の端末を渡すことで、どのテーブルに座っているかを店舗従業員が店舗のタブレット上で把握することができるシステム。スマートな配膳を実現する。
(導入店舗:Eggs 'n Things Coffee 御殿場プレミアム・アウトレット店)(技術協力:株式会社サトー)
(4) AIアバターレジ
来店客が店員の代わりにモニターに映っているアバターと会話をすることで、タッチパネル操作の必要なく料理を注文することができる。ウェルヴィル株式会社が開発した対話エンジンを搭載しており、来店客が発言したシナリオの回答通りでない内容も理解して応答し、注文に至るまで会話のみで誘導することができる。また、店舗スタッフがAIアバターに対して話しかけることで、店舗ごとに異なる応対を学習させることも可能。将来的には、スーパーの無人レジのように、自動支払い機能も搭載する予定だという。
(技術協力:アルプスシステムインテグレーション株式会社) ※今秋より導入開始予定
店舗導入の成果
「事前注文システム」は、現在一部の店舗を除く Eggs'n Things、Eggs'n Things Coffeeにて導入中だ。注文と会計にかかった時間を削減することができるため、オペレーションコストの削減につながっている。また、「テーブルオーダーシステム」は、来店客の約23%が利用しており、キャッシュレス決済ニーズの拡大に合わせて、今後も利用客が増える見込みだという。結果、お客様と店員との接点が減り、感染症拡大のリスクが削減できているとのことだ。
今後の展開
「事前注文システム」、「テーブルオーダーシステム」、「カスタマートラッキングシステム」は、近日中に同社の関連企業であるレター株式会社より外販を開始する。「AIアバターレジ」は、2020年10月頃から店舗にて実証実験を開始する予定だという。
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(TOMORUBA編集部)