東松島市とKDDIグループ、ベンチャー2社と共同で農業IoT「ゼロアグリ」を導入――農作業の省力化、収量・品質の向上を目指す
KDDI株式会社(以下、KDDI)は、宮城県東松島市野蒜地区にて株式会社KDDIエボルバ(以下 KDDIエボルバ)が運営する「幸 満つる 郷 KDDIエボルバ 野蒜(のびる)」(※1)に対して、AI潅水施肥(かんすいせひ)システム「ゼロアグリ」を導入すると発表した。
■AI潅水施肥「ゼロアグリ」の概要
AI潅水施肥「ゼロアグリ」は、日射センサーと土壌センサーの情報を基に、作物の成長に合わせた必要な水の量をAIが算出・判断し、適切なタイミングで点滴チューブより自動で供給できるシステムだ。導入することで、潅水と施肥の作業時間を大幅に軽減することができる。また、土壌は常に最適な水分状態が保持され、作物にとってストレスの少ない環境を実現することにより、従来の慣行栽培と比べ収量・品質の向上と省力化および水・肥料の削減につながるという。
今回の取り組みは、「ゼロアグリ」の他、「屋外クラウド録画パッケージ」と「自動遮光カーテン」も導入された。屋外クラウド録画パッケージは、農産物の生育を映像として記録できる装置だ。撮影された動画はau 4G LTE回線を通じて「KDDI IoTクラウド Standard」に保存され、スマートフォンやPC、タブレットからリアルタイムで閲覧ができるほか、過去30日間の映像も確認できる。また、自動遮光カーテンは、ビニールハウス内の温度に応じて自動で開閉し、ビニールハウスの日射量を調整することができるものだ。
なお、「ゼロアグリ」は株式会社ルートレック・ネットワークスが開発・提供するシステムだ。屋外クラウド録画パッケージはエコモット株式会社が提供するデバイスを活用する。2社が持つシステム・デバイスに加え、KDDIは通信環境、クラウドサーバーの面からこの取り組みを支える。KDDIエボルバは、実証機器の調達と実証フィールドの提供、およびIoT導入による効果検証を行い、東松島市は市内関係者との調整、広報やPR活動という点で、取り組みを推進していく。
■導入の背景
今回の「ゼロアグリ」の導入は、宮城県東松島市とKDDIグループが、2018年11月30日に締結したSDGs未来都市 (※2)の推進による地域活性化を目的とした協定の取り組みの一環だ。
この取り組みを通じ、東松島市とKDDIグループは、相互連携と協働による活動を推進し、5Gを見据えたICTをはじめとする資源を有効に活用していくことで、東松島市のSDGs未来都市を推進し地域活性化を図っていくという。
<参考>東松島市とKDDIグループ、地域活性化を目的とした連携に関する協定を締結(2018年11月30日)
https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2018/11/30/3508.html
https://www.k-evolva.com/news/detail20181130.html
※1:「幸 満つる 郷 KDDIエボルバ 野蒜」について
https://www.k-evolva.com/recruit/challenged/nobiru/
※2: SDGsの理念に沿った基本的・総合的取組を推進しようとする都市・地域の中から、特に、経済・社会・環境の三側面における新しい価値創出を通して、持続可能な開発を実現する潜在能力が高いと選定された都市・地域のこと
※関連リンク:プレスリリース
(eiicon編集部)