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静岡大学の超小型衛星「STARS-X」が軌道投入成功 宇宙デブリ捕獲実証へ、浜松発の“宇宙リサイクル”構想が始動

静岡大学の超小型衛星「STARS-X」が軌道投入成功 宇宙デブリ捕獲実証へ、浜松発の“宇宙リサイクル”構想が始動

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静岡大学工学部 能見公博教授の研究グループが中心となって開発した超小型衛星「STARS-X」が2026年6月12日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のH3ロケット6号機によって打ち上げられ、所定の軌道への投入に成功した。

同プロジェクトを支援する株式会社中部日本プラスチックは、この成果を契機に、宇宙デブリ対策や宇宙リサイクル分野への取り組みをさらに加速させる方針だ。

宇宙デブリ捕獲に挑む「STARS-X」

STARS-Xは、JAXAの「革新的衛星技術実証3号機」に採択された技術実証衛星で、宇宙テザー技術を活用したデブリ捕獲実験を目的としている。機体重量は約50kg。宇宙空間で約1kmのテザー(ひも状構造物)を伸展し、その上をロボットが移動する実験や、自ら放出したダミーの宇宙デブリをネットで捕獲する実験に挑む。

今回の打ち上げ成功によって、これまで地上で進められてきた開発・試験フェーズから、実際の宇宙環境における実証段階へと移行することとなった。今後は静岡大学が衛星運用を担いながら、テザー伸展やロボット移動、デブリ捕獲など複数のミッションを順次実施していく予定だ。

これらの技術は、将来的な宇宙デブリ除去だけでなく、宇宙エレベーターや大型宇宙構造物の展開、宇宙空間での輸送・移動技術などへの応用も期待されている。

静岡大学が積み重ねてきた「STARSプロジェクト」の集大成

STARS-Xは、静岡大学が長年取り組んできた「STARS(Space Tethered Autonomous Robotic Satellite)」プロジェクトの最新機体として位置付けられる。

同プロジェクトでは、テザー技術を用いた宇宙利用の可能性を探究してきた。今回のSTARS-Xでは、単なるテザー伸展だけでなく、ロボットの移動やデブリ捕獲までを一体的に実証する点が大きな特徴だ。

また、当初予定されていた打ち上げ機会の変更などを経ながらも開発を継続し、今回H3ロケット6号機への搭載が実現した。H3ロケット6号機は固体ロケットブースターを使用しない「30形態」の試験機であり、STARS-Xは複数の小型副衛星の一つとして宇宙へ送り出された。

プラスチックリサイクル企業が宇宙へ挑む理由

今回のプロジェクトで注目されるのは、静岡大学だけでなく地域企業が深く関与している点だ。

中部日本プラスチックは1975年創業以来、プラスチックリサイクル事業を通じて循環型社会の実現に取り組んできた。近年は宇宙分野にも活動領域を広げ、2026年4月には静岡大学と連携して宇宙関連事業を推進してきたSTARS Space Service株式会社を吸収合併。衛星開発や宇宙技術支援の知見を自社へ集約した。

同社は、地上で培った資源循環のノウハウを宇宙空間へ展開する「宇宙リサイクル」という新たな概念の事業化を目指している。

宇宙開発の進展に伴い、運用を終えた人工衛星やロケット部品などの宇宙デブリは年々増加している。将来的には、デブリの回収や再利用、資源化といった新たな産業領域の形成も見込まれており、同社はその可能性に着目している。

「持続可能な宇宙利用」に向けた第一歩

中部日本プラスチックの代表取締役 雪下真希子氏は、「地上でのプラスチックリサイクルに取り組んできた当社にとって、宇宙デブリを含む宇宙空間の資源循環は将来に向けた重要な研究テーマ」とコメント。STARS-Xが挑む1kmテザー伸展やデブリ捕獲実証について、「将来の宇宙デブリ対策や宇宙リサイクル技術につながる大きな一歩」と期待を寄せる。

今後、STARS-Xによる実証成果が蓄積されれば、宇宙デブリ除去技術の高度化に加え、宇宙空間での構造物展開や資源循環システムの実現にも道が開かれる可能性がある。

宇宙産業は、ロケットや衛星メーカーだけでなく、素材、機械加工、電子部品、リサイクルといった多様な産業の参入余地が広がる成長市場だ。静岡大学と地域企業が連携して進めるSTARS-Xプロジェクトは、地方発の宇宙産業創出モデルとしても注目を集めそうだ。

宇宙デブリ問題の解決と持続可能な宇宙利用の実現に向け、浜松から生まれた挑戦の成果に期待が高まる。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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  • 米田健太郎

    米田健太郎

    • 個人事業主
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  • 川村祥人

    川村祥人

    • LushAura株式会社
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