オープンイノベーション実践企業4,000社の『繋がり』実態調査。~業種・連携内容について~
オープンイノベーションプラットフォーム「eiicon」は、サービス正式リリースから1年10ヶ月で累計登録社数が4000社を突破。日本最大級のオープンイノベーションプラットフォームとして成長を続けており、数々の企業同士のマッチングや共創に寄与している。――そこでeiiconでは、登録企業を中心とした 4,000社を対象にオープンイノベーションの実態調査を実施した。
今回、アンケートを実施した内容は以下の3つの項目となる。
①自ら積極的に外部企業にコンタクトしている業種
②実際に連携・協業に至った業種
③連携・協業の具体的な内容
(※調査対象:オープンイノベーションを実践している4021社)
積極的にコンタクトを取っているのは、「ネット・広告・メディア」や「IT・通信」
まずは、オープンイノベーションに取り組むために積極的に外部企業にコンタクトしている業種について見ていきたい。下記【図1】のように、最も積極的にコンタクトを取っている業種は、インターネット・広告・メディア(19.6%)。次いでIT・通信(14.3%)、3位はメーカー(機械・電気)(12.5%)4位は医薬品・医療機器・ライフサイエンス・医療系サービス(12.5%)という結果となった。
インターネットやIT・通信といった業種は、メーカーなどに比べて「自前主義」の意識も薄く、他社との連携や協業についてもオープンなカルチャーが根付いていることが見て取れる。また、高齢化などの社会課題が大きな日本においては、ヘルスケア領域におけるオープンイノベーションが注目を浴びている。こうした背景もあり、医薬品・医療機器・ライフサイエンス・医療系サービスと言った業種の企業も積極的に他社とコンタクトを取っている。
【図1】
コンタクトを取ったのち、連携に至った業種は「メーカー」がトップに
一方で連携に至ったかどうかというアンケート項目に対しては、首位が異なり、メーカー(素材・化学・食品・化粧品・その他)(26.4%)がトップとなった。次いで、IT・通信(20.80%)、同率でメーカー(機械・電気)(20.8%)が続く。
4位はエネルギー(電力・ガス・石油・新エネルギー)(13.2%)で、連絡を取っている業界においては9位だったにも関わらず、連携においては急浮上していることから、連携に至りやすいと言える。5位が医薬品・医療機器・ライフサイエンス・医療系サービス(7.5%)。最も連絡が取られている業界であったインターネット広告メディアは、連絡が取り合われたのち、1.9%しか成約していないことが分かった。
【図2】
連携内容のおよそ半数が、「事業提携・業務提携」
連携や協業の具体的な内容として、圧倒的首位だったのは事業提携・業務提携 (42.0%)。次いで、共同研究・共同開発(22.2%)第三位が出資・資金調達(11.1%)となった。
その他には、アクセラレータプログラムへの応募や、ステップとしてのサービス導入(共同商品開発を見据えた受発注)などが挙げられる。共同研究の過程において現状実証実験中であることを明かしてくれた企業も複数存在した。
【図3】
今回、4000社を超える企業に対して、「外部企業に積極的にコンタクトしている業種」・「実際に連携に至った業種」・「連携・協業の具体的な内容」という3項目に関するアンケート調査を実施し、オープンイノベーションの現状を見てきた。特徴的だったのは、実際に連携に至った業種として、メーカーや通信・エネルギーなど大企業やインフラ企業が目立ったことだ。事実、歴史のある企業であっても「自前主義」を見直し、危機感を持って経営陣が自らオープンイノベーションにコミットしているケースも増えてきている。
今後もeiiconでは、オープンイノベーションの動向や実態をウォッチしていくため、大規模な調査を実施し、順次情報をリリースしていく予定だ。