Space BD、シリーズCで総額35億円超を調達 宇宙産業の事業開発基盤を強化へ
宇宙産業における総合サービスを展開するSpace BD株式会社は、シリーズCラウンドの追加資金調達を実施し、同ラウンドにおける総調達額が35億円を超えたと発表した。2026年1月に公表した24億円の初回調達に続くもので、今回のファイナルクローズでは、あおぞら企業投資株式会社、ON&BOARD株式会社、かんぽNEXTパートナーズ株式会社、XTech Ventures株式会社、新日本空調株式会社、株式会社ジャパンインベストメントアドバイザー、Spiral Innovation Partners株式会社(森ビルイノベーションファンドを運営)、日本ベンチャーキャピタル株式会社などを引受先とする第三者割当増資を行った。
同社の今回を含む累計調達額は66.8億円に達する。内訳は第三者割当増資が51.5億円、借入金額が15.3億円となる。調達資金は、組織力の強化、ローンチサービスの拡充、ファブレスメーカー機能の強化に重点的に活用する方針だ。
衛星打上げからISS利用まで、宇宙商業利用を支援
Space BDは2017年の創業以来、「宇宙の一大産業化」を掲げ、衛星打上げ支援や国際宇宙ステーション(ISS)をはじめとする宇宙空間の利活用支援をワンストップで展開してきた。技術力に立脚した事業開発力と営業力を強みに、宇宙産業に挑む企業や研究機関、自治体などをつなぐハブとしてのポジションを築いている。
主力のローンチサービスでは、世界のロケット事業者との提携により打上げ手段を拡充。2026年1月時点で衛星取り扱い数は100件を超えた。直近では、2026年6月12日に打ち上げられた「H3ロケット6号機」において、同社が提供する「H3ロケット相乗り打上げサービス」として搭載された衛星を含む全6機のペイロードの打上げインテグレーション支援を担当。日本の基幹ロケットとして初となる民間主導の相乗り打上げサービスの実現に貢献した。
また、ISS利用サービス事業では、宇宙空間での実験サンプル取り扱い数が670を超え、実証実験の実績も40件以上に達している。宇宙空間での研究開発や商業利用を支えるプレイヤーとして、宇宙インフラの利活用拡大を進めている。
人材育成と製造機能の強化で、成長基盤を拡大
今回の調達により、同社はまず組織力の強化に投資する。宇宙産業の事業開発を担う専門人材の採用・育成を進め、多様な事業領域を横断して推進できる体制の構築を目指す。
加えて、急増する衛星打上げ需要に対応するため、ローンチサービス事業では戦略的にロケットの打上げ枠を確保し、安定的な供給体制の確立を図る。これにより、市場における優位性を高め、持続的な成長基盤を築く考えだ。
さらに、企画・設計・品質管理を担い、製造工程は外部パートナーと連携する「ファブレスメーカー」としての機能も強化する。開発スピードの向上やコスト競争力の強化、市場ニーズへの迅速な対応を通じて、宇宙機器の開発・事業化領域での展開を加速させる。
同社は人材不足という宇宙産業全体の課題にも取り組んでおり、2025年10月には宇宙産業人材の実践型育成プログラム「HURDLES」を発表。企業や自治体、工業高校などへの導入が進んでおり、事業開発と人材育成の両面から宇宙産業の裾野拡大を目指している。
Space BD 代表取締役社長の永崎将利氏は、宇宙の一大産業化には技術開発力と並んで事業開発力が不可欠だとし、衛星を中心とする宇宙空間への物資輸送サービスや宇宙機器のファブレス開発を通じて実績を積み上げてきたとコメント。今後も宇宙産業の発展に貢献しながら、企業価値を高める循環を生み出していく考えを示した。
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(TOMORUBA編集部)