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リアル下町ロケット VOL.1 ー世界に誇る日本の技術ー

リアル下町ロケット VOL.1 ー世界に誇る日本の技術ー

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精密機械メーカーである中小企業”佃製作所”による奮闘を描く「下町ロケット」。この作品の舞台となった”佃製作所”のように、世界に誇る技術・プロダクトを持つ中小企業は日本に多数存在しています。

ただ、今現在の日本において、そのような技術オリエンテッドの企業群に日の目を当てるような取り組みはまだまだ少なく、『知られていない』のが実情です。eiiconでは「リアル下町ロケット」と題し、優れた技術・プロダクトを保有する中小企業を紹介するプロジェクトをスタートします。技術に自信がある中小企業は是非eiiconまでコンタクトしてください。(※コンタクト先は本記事の文末に記載しています)

今回、第一弾として紹介するのは、過去にeiicon labの記事で紹介した「旭鉄工株式会社」・「株式会社U-MaP」・「アドバンスト・ソフトマテリアルズ株式会社」・「株式会社五合」の4社です。この4社が開発したシステムや素材・材料、技術は、日本のモノづくりに広く貢献しています。

File1.旭鉄工株式会社

http://www.asahi-tekko.co.jp/

旭鉄工株式会社は、自動車部品の製造などを手掛ける中小企業。同社は、IoT製造ライン遠隔モニタリングシステムを自社開発し、数億円にも及ぶコストカットを実現しています。

※以下記事は、2017年11月1日掲載記事「【イベントレポート】「ニッポンイノベーター塾 Innovators Voice #6」 自作のIoTツールで4億円のコスト削減を可能にした中小企業経営者が登壇!」より抜粋しています。

▲旭鉄工株式会社/i Smart Technologies株式会社 代表取締役社長 木村哲也氏

■改善の道を阻む、データ取得の難しさがイノベーションの発露に!

木村氏は、トヨタ自動車に21年勤務した後、2013年より自動車部品の製造などを手掛ける旭鉄工株式会社の代表取締役に就任した人物。愛知県内とタイに工場を構え、従業員480名が在籍する旭鉄工ですが、木村氏は「中身は町工場が大きくなったものと思っていただければ」と紹介。

そんな同社が、「安い・早い・簡単」なIoT製造ライン遠隔モニタリングシステムを開発したきっかけとは?

——そのはじまりは、「設備投資」「労務費」「工場スペース」の節約を検討したことでした。

以前から木村氏は、“トヨタ生産方式”に則った改善を図ってきましたが、改善の道で何より難しいのが最初に行う現状調査。現状把握と問題点の洗い出しには、各製造ラインの可動時間や不具合による停止時間などのデータが必要ですが、手作業で正確なデータを集計し続けるのは決して容易ではなく、人的コストも莫大です。

そこで木村氏は、手間と時間のかかるデータ収集の自動化を検討。しかし、IoT関連の展示会に足を運んだところ、モニタリングサービスの多くが予算数千万円以上で、ネット未対応の古い生産設備では導入が難しい。そこで、木村氏はツールとシステムの自社開発を決意します。

自作にあたって、主に意識したことは「取得データを絞る」「初期投資を抑える」の2つ。例えば、可動時・停止時にそれぞれ点滅・点灯するランプなどがある製造ラインであれば、そこに光センサーと送信機を設置。パルスを発信させて、受信機で検知すれば、生産個数やラインの停止時間など必要なデータを自動取得できるようになる。シンプルな発想ですが、この開発によって従業員の作業負担が一気に軽減。また各データの表示方法も創意工夫した結果、改善策も具体的になっていったそうです。

■「見える化」だけで終わらない。IoTは運用方法が大事である。

木村氏は、社内で「見えない問題は直らない」と常々発信。ただし、見える化を図った上でいかに改善につなげるか、「IoTは運用方法が大事」だと説明します。データ取得が自動化された当初は、現場で毎日2時間のミーティングを実施。関係者が一堂に集まり、現状把握と改善策を徹底的に検討。また、定量的なデータがとりにくかったスタッフの作業のばらつきについても、データ取得によってやりにくい作業を見つけることに成功。

こうした0.1秒の改善を重ねた結果、新規ラインへの設備投資の節約合計額はこれまでに4億円以上、年間労務費1億数千万円カットなど、大きな成果を実現。「これだけ効果があれば、他社のお役にも立てるはず」と考え、IoTモニタリングサービスの開発・導入・運用コンサルティングなどに特化した「i Smart Technologies」を新設。新規事業創出まで成し遂げています。

木村氏は言う。「中小企業こそIoTを活用すべき。最近は人材採用や、大きな投資は難しい時代。一方で多くの中小企業は改善の余地が大きく、小回りが利くことで大胆な改革もしやすい。ぜひチャレンジしてみてほしい」と語りました。

【PICKUP!】技術ベンチャー紹介 

次に、素材分野で活躍し、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が開催するピッチイベントでプレゼンテーションを行った技術ベンチャー3社を紹介していきます。

※以下記事は、2017年8月21日掲載記事【イベントレポート】第17回NEDOピッチ~「素材」分野の有望ベンチャー5社が登壇~より抜粋しています。

■株式会社U-MaP

http://www.umap-corp.com/

▲代表取締役社長 前田孝浩氏

株式会社U-MaP(ユーマップ)は、画期的な新材料と加工技術を提供・事業化することで、今までにない工業製品を産業界に展開する名古屋大学発のベンチャー企業。

同社が開発しているのは、放熱問題を解決しようとする素材だ。PCやモバイルなどのデバイスは、長時間使用すると熱を帯びてくる。そして、この熱がバッテリーを劣化させ、動作速度を低下させ、デバイスの寿命を大きく縮めてしまう。同社が開発した高性能放熱フィラー(AINウィスカー)は、その熱を樹皮などの絶縁材料から逃がすことができる素材だ。

従来の放熱材は、球状セラミクスを使用しており、高充填が必要で絶縁材料を曲げることが難しい。しかし、同社のAINウィスカーは、低充填量で高熱伝導性を実現することが可能で、軽量で曲げることが出来る。さらに、アンモニアに変質しにくい。——このような同社の技術が注目され、現在では30社以上の放熱材料メーカー、素材メーカー、部品メーカーと製品開発の協議を行っている。さらに、2021年までには量産化によって低価格化を目指しているとのことだ。

■アドバンスト・ソフトマテリアルズ株式会社

http://www.asmi.jp/

▲代表取締役 野田結実樹氏

アドバンスト・ソフトマテリアルズ株式会社は「SRM(スライドリング マテリアル)」の量産供給と適応開発を行う唯一の企業。多くの企業との用途開発を進めるほか、自社でもSRMの特性を活かした高性能ウレタンフォームや高密着塗料の販売を行っている。

本素材は、東京大学伊藤耕三研究室で生まれた世界初の可動架橋点を持つ超分子材料で、樹脂素材にこれまでに無い「柔軟性」と「復元力」を付与できる革新的新素材だ。また、この素材は、スピーカー等の裏側に使用すると、吸音材として活用することもできる。提携ニーズは非常に広く、現在では豊田合成株式会社と契約提携している。「純日本発のポリマーですので、日本の企業に使ってもらいたい」と、登壇した代表・野田氏は語った。

■株式会社五合

http://www.gogoh.jp/

▲代表取締役 小川宏二氏

株式会社五合は、完全無機塗料「ゼロ・クリア」などを開発・提供する愛知県を拠点とするベンチャー企業。「ゼロ・クリア」は、水だけで油などの頑固な汚れを落とせる超親水性に加え、硬いもので擦っても傷が付かない強硬度を兼ね備えた塗料で、幅広い用途に活用可能。500時間経過後の親水性テストや、上下水道局にて、次亜塩素酸による腐食評価テストの基準も通過している。

これまでの採用実績は、洗濯機、シンク層、電装部品、ステンレス製の食器や調理器、厨房設備、喫煙所設備、地下鉄駅構内設備などだ。実際に、渋谷にある喫煙所や東京メトロ千代田線・二重橋駅の設備に同社の「ゼロ・クリア」が採用されている。

今後は、建材、鉄道(共同開発)、電力(共同開発)、水処理の分野や、日本のガラスメーカーとの提携も見据えている。

編集部より

いかがでしたでしょうか。まだまだ日本には確かな技術や開発力を有した中小企業やベンチャー企業が数多く存在しており、大きな可能性が眠っていると考えています。出会うことさえできれば大きな化学反応が起きるであろう、中小企業やベンチャー企業同士をしっかり出会わせたい。eiiconはそう考えています。

技術には自信がある。ただ、知られていないとも思っている。そうお感じの中小企業の皆様、下のバナーをクリックいただきメールでご一報ください。内容を検討の上、eiiconlab編集部が伺います。

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    リアル下町ロケット

    精密機械メーカーである中小企業”佃製作所”による奮闘を描く「下町ロケット」。この作品の舞台となった”佃製作所”のように、世界に誇る技術・プロダクトを持つ中小企業は日本に多数存在しています。ただ、今現在の日本において、そのような技術オリエンテッドの企業群に日の目を当てるような取り組みはまだまだ少なく、“知られていない”のが実情です。eiiconでは「リアル下町ロケット」と題し、優れた技術・プロダクトを保有する中小企業を紹介するプロジェクトを開始しました。