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トクイテン、ミニトマト収穫ロボットの実運用を開始 自社農場で“日常的に働くロボット”が稼働

トクイテン、ミニトマト収穫ロボットの実運用を開始 自社農場で“日常的に働くロボット”が稼働

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「持続可能な農業へのシフトを加速する」をミッションに掲げる株式会社トクイテンは2026年6月1日、自社開発した吸引式ミニトマト収穫ロボットについて、愛知県知多市の自社農場で実証フェーズを完了し、本格的な実運用を開始したと発表した。

これまで開発チーム主導で進めてきた実証運転から、生産現場の栽培スタッフが日常業務としてロボットを活用する運用体制へ移行した。実際の農場で栽培スタッフが継続的に運用する収穫ロボットの事例は国内でもまだ少なく、農業ロボットの社会実装に向けた先進的な取り組みとして注目を集めそうだ。

深刻化する農業人材不足 収穫作業の自動化が急務に

日本の農業は深刻な担い手不足に直面している。農林水産省によると、2025年時点の基幹的農業従事者数は約102万人と、2000年の約240万人から半数以下に減少。平均年齢も67.7歳に達している。

なかでもトマト栽培は収穫・選果作業が全体の作業時間に占める割合が大きく、人手不足の影響を受けやすい。特にミニトマトは果実が小さく収穫頻度が高いため、一株あたりの収穫回数が多く、生産者の負担が大きい作物として知られている。

施設園芸向けの収穫ロボット開発は国内外で進められているものの、多くは研究開発や実証段階に留まっている。そうした中、トクイテンは2023年から吸引式収穫ロボットの開発を本格化し、約3年間にわたり改良を重ねてきた。

その結果、2026年4月には1台あたり1日31kgのミニトマト自動収穫を達成。収穫されたミニトマトについても、社内評価で手作業収穫と同等の品質が確認されており、通常の農産物として出荷されている。

独自の「吸引式収穫」を採用 AIが熟度を見極める

同社の収穫ロボット最大の特徴は、独自開発した「吸引式収穫」技術だ。

ミニトマトの果柄特性を活用し、弱い吸引力によって果実を傷つけることなくヘタから分離して収穫する仕組みで、収穫機構に関する特許も取得している。

また、搭載されたカメラが撮影した映像をAIが解析し、果実の熟度を判定。収穫適期を迎えたミニトマトのみを自動で収穫する。

ロボットは農場内のレール上を自動走行し、通路間の移動時には全方位移動可能なホイールを活用。農場全体を自律的に巡回しながら収穫作業を行う。

現在は通常の収穫日前日の夕方に稼働し、約5時間かけて農場内を巡回。翌朝、栽培スタッフが収穫済みのミニトマトを回収し、選果や出荷作業を行う運用となっている。稼働頻度は週2回で、1回あたりの収穫量は人間の収穫作業者約1名分の半分程度としている。

2027年には6台体制へ 大規模農場で自動化を加速

トクイテンは現在、農林水産省のSBIR事業に採択され、愛知県知多市に1ヘクタール規模の新農場を建設中だ。2027年3月の完成を予定しており、新農場では6台の収穫ロボットを導入する計画である。

さらに収穫だけでなく、葉かきや芽かきなどの栽培管理作業の自動化にも取り組むほか、カーボンニュートラル型施設園芸の実証も進める方針だ。

また今回の実運用開始に合わせ、大規模ミニトマト農場を対象とした共同実証パートナーの募集も開始。異なる栽培環境や品種条件での運用データを蓄積し、さらなる性能向上を目指す。

「世界一の収穫ロボット」を目指す

代表取締役の豊吉隆一郎氏は、「ミニトマトの収穫ロボットで農業を自動化するという創業時の目標を一つ達成できた。学生時代に抱いていた『いつか役に立つロボットを作りたい』という夢が実現したとも言える」とコメント。

また、「世界でも実運用できているミニトマト収穫ロボットはまだ少ない。新農場では複数台のロボットが生産を支える農場づくりに挑戦し、世界一のロボットと呼ばれる存在を目指したい」と展望を語った。

研究開発段階に留まりがちな農業ロボットが、実際の生産現場で日常的に稼働する段階へと進んだ今回の取り組み。農業人口の減少が続く中、収穫作業の自動化は日本農業の持続可能性を左右する重要なテーマとなる。トクイテンの挑戦は、ロボットとAIが支える次世代農業の実現に向けた大きな一歩となりそうだ。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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