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堺市消防局とSHANRI、救急現場での対話をAIで支援する実証を開始 教育高度化と市民対応の質向上へ

堺市消防局とSHANRI、救急現場での対話をAIで支援する実証を開始 教育高度化と市民対応の質向上へ

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堺市消防局救急部 救急ワークステーションとSHANRI株式会社は、堺市の公民連携実証プロジェクト推進事業の一環として、「AI活用による傷病者対応支援」の実証実験を開始した。ICTを活用した救急搬送時の情報共有高度化に向けた取り組みの一つとして位置づけられるもので、今回はとりわけ、救急現場における傷病者と救急隊員のコミュニケーション支援に焦点を当てている。

救急現場の「会話」を支えるAI活用を検証

本実証では、救急隊員と傷病者のやり取りをAIで補助し、必要な情報を整理・可視化することで、現場対応の質向上につなげる狙いだ。検証はシミュレーション訓練などを通じて進められ、AIが現場でどのように機能しうるかを多面的に見ていく。

実装対象となる主な機能は3つある。1つ目は、話者分離と書き起こしによる会話支援機能である。傷病者と救急隊員の発話を区別しながら記録し、会話内容を正確に見える化する。2つ目は、発話内容からハイリスク症候を抽出する機能で、症状や状態に関する重要情報の見落とし防止を目指す。3つ目は、収集情報をSBAR形式で要約し、AIが読み上げる機能である。医療機関への申し送りを明確かつ標準化された形で支援することで、情報伝達の精度向上が期待される。

教育・研修への還元も視野に

今回の取り組みの特徴は、現場支援にとどまらず、教育現場でのAI活用可能性も同時に検証している点にある。救急ワークステーションは、堺市立総合医療センターに隣接し、現場活動と教育・検証機能が一体となった拠点であり、実践を通じた検証を継続的に行える環境を備えている。

教育用途としては、患者の症状に応じた適切な質問ができているかをAIが分析する機能や、対話内容を要約・評価して振り返りに生かす機能を検証する。さらに、お薬手帳OCR機能も導入し、服薬情報を正確に把握することで、傷病者とのコミュニケーションの質や情報確認の精度向上を支援する。

限られた時間の中で、判断と説明の両立を支援

救急現場では、緊急度や重症度を短時間で見極める一方、市民に対して丁寧でわかりやすい説明を行うことも求められる。接遇や言葉遣いへの配慮、処置や判断内容の説明、安心感につながる声かけ、救急活動体制への理解促進など、現場で求められる役割は多い。こうした対応を限られた時間のなかで適切に実践することが、大きな課題となってきた。

両者は本実証を通じて、AIを判断の代替ではなく、専門職の活動を支える補助的手段として位置づける。判断支援やコミュニケーションの振り返りを教育・研修へ還元することで、救急隊員の対応水準の均てん化と全体の質向上を図る考えだ。堺市消防局救急ワークステーションの特性を生かしながら、市民にとってより安心できる質の高い病院前救護体制の実現につなげていく。

関連リンク:プレスリリース

(TOMORUBA編集部) 

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