アース製薬 × アタム技研、介護現場の負担軽減 MA-T対応の介護業界初の多目的洗浄機を発売へ
アース製薬株式会社はアタム技研株式会社と共同で、車椅子や介護ベッドのパーツ、歩行器など多品目の福祉用具に対応した多目的洗浄機『TS-2501M』を開発した。最大の特長は、すすぎ工程に革新的酸化制御技術「MA-T®」を採用した点にある。MA-Tをすすぎ水として活用する方式は介護業界で初の取り組みで、2026年2月下旬の発売を予定している。
拭き上げ消毒を不要に、現場の手間を削減
高齢化の進展とともに、介護現場では慢性的な人手不足や業務負担の増大が続いている。とりわけ福祉用具の洗浄では、機械洗浄の後に手作業による拭き上げ消毒が必要とされ、作業時間・人員の確保が大きな課題となっていた。
本機では、MA-Tを活用することで「すすぎ」と「消毒」を同時に実施。従来必須だった拭き上げ工程を省略し、機械によるすすぎのみで衛生管理を完結できる運用を目指す。これにより、作業時間の短縮、人的負荷の軽減、作業品質の平準化といった効果が期待される。
機器と福祉用具の長寿命化にも寄与
MA-Tは腐食性が低いことも強みだ。金属部材への影響が少ないため、洗浄機内部のカビの発生抑制や機器そのものの耐久性向上に貢献する。加えて、繰り返し利用される福祉用具の品質維持にもつながり、結果として設備更新や廃棄の抑制にも波及する可能性がある。
拭き上げ作業の削減は、スタッフの身体的負担を軽くするだけでなく、作業効率の改善による人員配置の最適化にも寄与する。福祉用具をより長く安全に使える環境が整えば、リユースの推進や廃棄削減にもつながり、持続可能な介護運営の基盤づくりを後押しする。
既存機への展開も視野にオートメーション化を推進
両社は新機種の発売準備に加え、既存の洗浄機への機能追加にも対応しながら、介護業界における洗浄業務の自動化を広げていく構えだ。アース製薬はMA-T技術の提供を通じてアタム技研の開発を継続的に支援し、現場実装をさらに加速させる。
MA-T(Matching Transformation System®)とは何か?
MA-T(Matching Transformation System®)は、必要なタイミングで必要量の微量ラジカルを安定的に生成する日本発の酸化制御技術である。高い除菌・消臭性能と安全性を併せ持ち、医療、歯科、介護、食品衛生、宿泊、航空分野などで導入が進んできた。
アース製薬はこの技術の普及を通じ、内閣府によるオープンイノベーション関連表彰やレジリエンス分野での受賞歴も持つ。今回の取り組みは、そうした実績を背景に、介護現場の具体的な業務課題へ踏み込む新たな社会実装の一例と言えるだろう。
介護需要が拡大する中、洗浄・消毒という日常業務の高度化と省力化は、現場の持続性を左右する重要なテーマである。TS-2501Mの投入は、その変革を現実の運用レベルへ引き寄せる試みとして注目される。
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(TOMORUBA編集部)