グルタチオンの社会実装を目指すWAKU、南相馬市と「みらいにつなぐ農林水産業」連携協定を締結 先端バイオ技術で、気候変動に強い次世代農業モデルの社会実装へ
グルタチオンの社会実装を目指す株式会社WAKUと福島県南相馬市は2026年1月9日、「みらいにつなぐ農林水産業を目指すための連携協定」を締結した。本協定は、南相馬市の農林水産業の復興・再生と持続的な発展を目的に、先端バイオ技術とスマート農業を融合した次世代農業モデルの構築・社会実装を進めるものだ。福島イノベーション・コースト構想の趣旨も踏まえ、気候変動リスクに対応可能な新たな農業の姿を南相馬市から発信していく。
異常気象が顕在化する浜通り、次の課題は「環境ストレス」
南相馬市を含む福島県浜通り地域では、ロボットトラクターやドローンなどの導入により、人手不足への対応や省力化は着実に進展してきた。一方で近年、猛暑や乾燥といった異常気象に起因する生育不良、収量低下といった「環境ストレス」が新たな課題として浮上している。省力化だけでは解決できない、生産の安定性そのものが問われる局面に入ったと言える。
こうした課題に対し、WAKUは作物の酸化ストレスを制御する「グルタチオン」に着目。バイオスティミュラント技術を核に、全国の生産者や研究機関と連携した実証を重ね、環境耐性を高める栽培技術の確立に取り組んできた。
「ドローン×グルタチオン」で省力化と安定生産を両立
本協定の最大の特徴は、南相馬市が有する広大な農地やドローンなどの先進技術基盤と、WAKUの先端バイオ技術を掛け合わせる点にある。グルタチオンを活用した栽培技術と、ドローン散布等のスマート農業を融合させることで、省力化と環境耐性の両立を図る次世代型農業生産システムの研究開発と社会実装を進める。
具体的には、猛暑・乾燥などの環境下でも安定した生育・収量を実現する持続可能な農業モデルの構築を目指すとともに、園芸作物を中心とした産地形成や地域農業の競争力強化にも取り組む。
人材育成から産業集積へ、地域に根ざした実装を推進
協定には、人材育成の視点も盛り込まれている。南相馬市が進める「みらい農業学校」を中心に、実証圃場や先端技術を活用した実践的な学びの場を提供し、次世代を担う農業人材の育成と地域定着を図る。また、南相馬市内にWAKUのオフィスおよび研究拠点(LABO)を設置し、市内農業法人や関連事業者との連携、実証実験の加速、地域雇用の創出にもつなげていく考えだ。
今後は、南相馬市で確立したモデルを福島浜通り地域全体、さらには全国の農業地域へと展開していく構想である。極限環境下でも成立する農業モデルとして国内外に発信し、先端バイオ技術とスマート農業が融合する先進地域としての南相馬市のプレゼンス向上を目指す。
本取り組みは、持続可能な農林水産業の実現と地域創生を同時に進める実装型の挑戦だ。気候変動という不可避の課題に対し、技術と地域が連携する新たな解が、南相馬から生まれようとしている。
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(TOMORUBA編集部)